【2023年下半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】通販事業を営むEC・小売にクレーム集中、需要が回復した宿泊業も上位に~通信・鉄道・銀行など生活に欠かせないサービスを提供する業種も上位にランク~
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、11,212社を対象に、2023年下半期にSNS等インターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判の中から悪評・クレームを抽出し「2023年下半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計しましたので発表します。また、業界ごとの悪評・クレームの内容を解析し、頻出単語の集計をしましたので合わせて発表します。
◆悪評・クレームの業種別ランキング
第1位 無店舗小売業
第2位 宿泊業
第3位 各種商品小売業
第4位 その他の小売業
第5位 織物・衣服・身の回り品小売業
第6位 通信業
第7位 医療業
第8位 鉄道業
第9位 銀行業
第10位 洗濯・理容・美容・浴場業
※悪評・クレームの詳細な数値は添付画像のランキング表にてご確認いただけます。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に区分けを行っています。
※具体的な業態は<調査結果詳細>の中で記載しています。
◆調査背景
スマートフォンやSNSの普及に伴い、誰でも手軽に情報の発信や収集が行える時代となりました。消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(※2)」によると、様々な情報収集手段がある中でSNSを情報収集目的で活用している人が84.1%と最も多いことから、多くの人がSNSから情報を得ていることがわかります。このことから、企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切なレピュテーションマネジメントを行い、社会からの評判を維持・向上させる必要があると言えます。
これらを背景として、アラームボックスは、AI与信管理サービス「アラームボックス」の提供を通して得た膨大なネット上の口コミから、インターネット上で悪評・クレームが多い業種やその口コミの傾向を定点調査しています。社会情勢と悪評・クレームの関係性の考察や、クレームに頻出する単語を発表することで、企業がレピュテーションマネジメントに取り組むきっかけとなること、企業活動や与信管理における定性情報の重要性と活用法を啓発していくことを目的として、本調査の実施と発表に至りました。
※2:消費者庁 2022年6月7日「消費者意識基本調査」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/assets/survey_002_220607_0005.pdf
◆主な調査結果
ネット上に存在する悪評・クレームの投稿について調査したところ、「EC・小売」「宿泊」「通信」に関連する業種に多く発生していることがわかりました。
調査結果詳細では、今回の調査でランクインした上位10業種を業界ごとに分類し、クレームの内容を分析・考察します。
また、上位10業種に対しての悪評・クレーム投稿で頻出する単語を抽出し、悪評・クレームにつながりやすい事象を可視化しました。
◆調査結果詳細
【EC・小売業界】
該当業種:1位 無店舗小売業(通販事業)/3位 各種商品小売業(百貨店、総合スーパー)/4位 その他の小売業(家具、化粧品、中古品小売業など)/5位 織物・衣服・身の回り品小売業(アパレル、寝具販売)
※()内は主な事業
過去の調査に引き続き、通販事業を専門とする無店舗小売業が1位という結果でした。また、昨今は小売業を営む多くの企業が通販事業を展開していますが、店舗だけでなくネット上でも顧客との接点が増えたからか、多くの小売業が上位にランクインしました。
クレームの内容としては、購入した商品の不具合や購入前の印象との違いに関する不満、配送トラブルに関するものが多い傾向にありました。また、今回の調査は贈答品の需要が高まる年末にかけて実施しているため、商品の到着日や梱包に対する不満が多くなり、その結果前回の調査より1社あたりのクレーム数が増加する傾向にありました。企業は通販事業を展開することで場所や時間を問わず販売活動を行える利点はありますが、その分クレームの件数が増えることを念頭に置き、レピュテーションマネジメントを行う必要があります。
【宿泊業】
該当業種:2位 宿泊業(ホテル、旅館)
コロナ禍が収束し、需要が急速に回復している宿泊業に対して悪評・クレーㇺが多く発生していました。部屋の状態に関するクレームが最も多く、アメニティの不足や部屋の狭さ、臭いなどに不満が発生していました。また、お風呂や食事に関する言及や、スタッフやフロントの対応についての投稿が多い傾向にありました。スタッフやフロントの対応については、「忙しそうで話を聞いてもらえない」「スタッフが見るからに慌ただしくしており待ち時間が長い」といった不満と共に人員不足を懸念する投稿も多くなっており、急速な需要の高まりに顧客からも心配する声が多く上がっていました。
【通信業】
該当業種:6位 通信業(携帯キャリア、ネット回線サービス、プロバイダ代理販売店など)
回線の不具合や開通工事に関して、対応が遅くネットが使えないことに対して多くクレームが発生していました。リモートワークや動画サービスが普及したことでネットにアクセスする時間が長くなったことから、ネットにアクセスできないことへのストレスを投稿する傾向が以前に増して強まったと考えられます。
また、契約の手続きに関する不満投稿も多い傾向があり、「契約前に説明されていた内容と異なる料金を請求された」「問い合わせに対して回答が遅すぎる」といった不満から解約に繋がるケースが散見されました。
【美容に関連する業界】
該当業種:7位 医療業(病院、美容クリニック、医療脱毛など)/10位 洗濯・理容・美容・浴場業(美容院、エステなど)
美容外科や医療脱毛など、自由診療の美容クリニックを運営する医療業の法人や、脱毛サロンやエステなど美容に関する事業を展開する企業にクレームが発生していました。悪評・クレームの内容は、エステや美容クリニックの施術に関するものが多く、痛みや効果に対する不満や、スタッフの対応についてのクレームが多くなっていました。また、以前より多かった脱毛エステやクリニックの予約の取りにくさに関するものが今回も多く投稿されていました。
また、近年は競合他社との競争が厳しくなっており、突然営業停止をするクリニックやエステがあったため、高額な契約金を払っているにも関わらず施術がうけられないことに関して悪評が発生していました。長期間通うことを前提にしたコースを契約する業態も多いため、事前にネット上の評判や信用情報をチェックしてから契約をすることがリスク回避のためには必要です。
【鉄道業】
該当業種:8位 鉄道業(鉄道会社)
列車遅延や運転見合わせなど、ダイヤ乱れに対しての不満が多く発生していました。また、アプリやICカードのエラーや使い勝手に対する不満も多く、鉄道利用時のトラブル発生時に不満やクレームを投稿することが多い模様です。また、接客に関するクレームもダイヤ乱れに次いで多く、無愛想な態度や問い合わせ対応の遅さに対しての投稿が多く見受けられました。コロナ禍の収束による需要回復で増加する利用者への接客品質向上、トラブルの無い安定したサービス提供の継続が、今後の企業イメージ向上につながると考えられます。
【銀行業】
該当業種:9位 銀行業(都市銀行、地方銀行、ネットバンクなど)
多くの銀行で支店や窓口が縮小傾向にあり、混雑で待ち時間が長いことや行員の対応の遅さに対して不満が発生していました。また、昨今はネット上での手続きが可能な銀行が増えていますが、アプリの不具合や利便性の低さに関して、クレームが散見されました。「メンテナンスが頻繁にあるため安心して利用できない」「ログインが何度もうまくいかず実質使えないので解約する」といった利便性の低さからクレーム、さらには解約に繋がっているケースが散見され、利便性とセキュリティーの両立が求められているようでした。
◆業種別、悪評・クレーム投稿で頻出する単語
※頻出単語の一覧は、添付のプレスリリース本文(PDF)にてご確認いただけます。
・EC・小売業
ECモールを始め多くのECサイトには、商品やサービス品質に対して投稿・レビューできる機能が付いていることから、悪評・クレームが投稿されやすい傾向にある業種です。最頻出単語は前回と同じく「商品」であり1,100回以上使われていました。その他は、「購入」「発送」「残念」「対応」といった単語が続き、購入した商品へのクレームや、購入後の発送や連絡に関する対応について言及が頻出しました。
・宿泊業
コロナ禍が収束し、需要が回復したことで顧客との接点が増加したことから悪評・クレームも比例
して増加しました。最頻出単語は「部屋」であり、宿泊業のクレームの約半数が部屋について言及
していました。他には「風呂」「朝食」「フロント」といった単語が頻出しており、設備に関するク
レームが一番多く、その他には食事や接客に関してのクレームが多い結果となりました。
・通信業
通信業では、回線の速度よりも顧客とのコミュニケーションに関する不満が集中しました。最頻出
単語は「対応」、次点で「連絡」であり、顧客とのコミュニケーションに対する不満が多くなってい
ました。その他には「電話」「発送」「購入」「契約」といった単語が続き、契約開始時の端末の発送の遅さや、回線工事の段取りについて不満が散見されました。
◆調査概要
調査期間:2023年7月1日〜2023年12月31日
対象企業:アラームボックスでモニタリングしており業種登録がされていた11,212社
対象データ:インターネット上に投稿された口コミのうち、アラームボックスが「悪評・クレーム」と分類したもの
◆アラームボックスについて
AI与信管理クラウドサービス「アラームボックス」( https://alarmbox.jp )は、企業や自治体のHPに掲載された情報や、SNSや口コミなどインターネット上で投稿された情報をAI技術で収集・解析し、提供するクラウドサービスです。新規取引時の与信判断、既存取引先の継続的な与信管理、さらに売掛保証までを一括して行うことができます。収集・判断の難しいネット上の情報を、与信への影響度を診断したうえで提供するため、インターネット上の情報を活用した高精度な与信管理を、簡単に、低価格で導入できます。それにより、取引先の情報収集に関わる業務負荷を大幅に削減し、スマートフォンやPCから取引先を登録しておくだけで、迅速にリスクに対応できます。
◆会社概要
代表者:代表取締役社長 武田 浩和
所在地:東京都新宿区市谷本村町3-22
設立 :2016年6月
資本金:3.36億円
企業サイト: https://alarmbox.co.jp
サービスサイト: https://alarmbox.jp