【2022年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種を発表】コロナ禍により急増した通販事業の配送オペレーションにクレームが集中 〜7,924社を対象にSNS等で投稿された口コミや評判から悪評・クレームを抽出し集計〜
・2021年調査に続き無店舗小売業が1位。通販事業へのクレームがネット上に頻出
・小売業や卸売業から通販事業に参入した企業へ、商品違いや配送時のクレームが頻出
・美容関連の商品はレビュー活用の需要が高く、口コミでの悪評が頻出し上位にランク
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:武田浩和、以下「当社」)は、この度、7,924社を対象に、2022年1月~6月にSNS等インターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判から悪評・クレームを抽出し、「2022年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計しましたので発表します。
■悪評・クレームの業種別ランキング
第1位 無店舗小売業
第2位 その他の小売業
第3位 化学工業
第4位 各種商品卸売業
第5位 各種商品小売業
第6位 飲食料品小売業
第7位 宿泊業
第8位 その他の卸売業
第9位 織物・衣服・身の回り品小売業
第10位 銀行業
※悪評・クレームの詳細な数値は添付画像のランキング表にてご確認いただけます。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に区分けを行っています。
※具体的な業態は<調査結果詳細>の中で記載しています。
■調査背景
コロナ禍での生活が続き、オンライン上での購買活動が活発になる中、SNSやレビューサイトなどインターネット上で投稿・閲覧される口コミ情報の重要性が増しています。消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(※1)」によると、ネット通販などでの商品購入時に優先される確認事項として、「商品やサービス、売主に対する過去の評価・レビュー」が最も多い回答となり、口コミ情報が消費行動に大きな影響を及ぼしていることが分かります。また、ネット上に書き込まれた情報から、企業や商品が炎上することもあるため、今後は自社の評判やブランドイメージを維持・向上させることを目的とした口コミマネジメントに取り組むことも必要不可欠です。
これらを背景として、アラームボックスは、AI与信管理サービス「アラームボックス」の提供を通して得た膨大なネット上の口コミを収集・分析する技術を用いて、2021年度にインターネット上で悪評・クレームが多い業種を分析した調査発表を実施致しました(※2)。今年度も継続して本調査を行い、社会情勢と悪評・クレームの関連性を考察すると共に、企業活動や与信管理における定性情報の重要性と活用法を啓発していくことを目的として、本調査の実施と発表に至りました。
■主な調査結果と考察
オンライン上に存在する口コミ情報などの定性情報を業種別で分析した結果、通販事業、美容、サービス業に関する悪評・クレームが多く発生していることがわかりました。
<通販事業>
前回同様、総合通販事業者を始めとする無店舗小売業に対する悪評・クレームが多く、昨年度に引き続きランキング1位となりました。また、今回の調査では、小売業や卸売業が営む通販事業でも悪評・クレームが増加しており、特に、在庫管理や梱包、配送ミスに関する内容、購入時の写真と実際に届いた商品の違いに関する内容などが多く投稿されていました。小売業や卸売業を本業とした企業が通販事業を展開する場合は、配送や在庫管理、インターネットマーケティングなど、通販事業独自のノウハウを得た上で取り組むことが、悪評・クレームの削減につながると考えられます。
<美容に関するレビューの増加>
前回調査と比較すると、コスメやスキンケア、シャンプーや育毛剤などの美容系商材に対する悪評・クレームが多く発生する結果となりました。「使用してみたが期待する効果は得られなかった」「自分の肌や体に合わない」といった使用感に関する内容が多かった他、「定期購入の解約ができない」「勝手に定期購入に移行されていた」といったクレームも多く見られました。美容系商材のレビューサイトやまとめサイトが増えていることもあり、消費者はSNSやレビューサイトを事前に確認した上で購入していることが多く、口コミ需要の高さが目立ちます。また、コンプレックスを刺激する美容系商材の広告内容に対して「ルッキズムを増長させる」といったような悪評・クレームが集まり、企業に対して抗議を行う署名活動に至ったケースもあり、利益だけを求めた過激な表現には注意が必要です。
<ウィズコロナにおけるサービス業>
2021年に3回にわたって発生した緊急事態宣言を背景に、対面でのやり取りを中心とするサービス業では、三密回避や消毒対策、キャンセル時の対応に関するクレームが多く発生していました。今回の調査では、ウィズコロナならではの悪評・クレームがサービス業界において発生していました。宿泊業においては、感染者数が落ち着き旅行需要が徐々に回復していた一方で、「フロントで長時間待たされた」、「部屋の清掃が十分でなかった」といったクレームが多く発生し、銀行業では、「窓口予約が10日以上先しかできない」といった窓口対応に関するクレーム、「ネットバンクやアプリの使い勝手が悪い」、「問い合わせようとしても電話が繋がらない」といったクレームが多く見られました。ウィズコロナにおけるサービス業では、コロナ前と異なるサービス内容に困惑している消費者の実態を捉えた上で、顧客満足度を高めていく施策を行っていくことが重要であると言えます。
■調査結果詳細
1位 無店舗小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.48件(前回ランキング:1位)
主な事業:通販事業
昨年に引き続き、通販事業を主力とし複数のネットショップ(楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon、自社サイトなど)を設けていることが多い無店舗小売業が1位となりました。梱包や配送についてのクレームが多く、「発送予定日を1週間過ぎても発送されない」「梱包が粗雑で商品が壊れていた」といった書き込みが多発していました。また、昨年度の調査において、業種内で一番クレームの多かった企業が、今年度も変わらず一番のクレーム数となっており、一時的なものではなく、恒常的に起こっているクレームが発生していることがわかりました。
2位 その他の小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:3.57件(前回ランキング:3位)
主な事業:じゅう器,医療品,化粧品,書籍,文房具,中古品などの小売店など
クレームが多かったのは、書籍やCDを販売する小売店の通販事業でした。特にその他の小売業の場合、実店舗を構えていることもあり、「商品が思ったものと違う」というクレームは無店舗小売業より少ない反面(中古品販売を除く)、店舗があることにより在庫管理が難しいのか、「在庫ありとなっていたから購入したのに、購入後に在庫切れとなり無断キャンセルされていた」といったクレームが複数の企業で見られました。また、化粧品に関する悪評・クレームも多くあり、レビューサイトやSNS上での書き込みが活発に発生していました。
3位 化学工業:1社あたりの平均悪評・悪評クレーム数:1.87件(前回ランキング:21位)
主な事業:化粧品メーカー、理容用品メーカー、製薬会社、油脂加工品製造会社など
昨今は、メーカーも楽天やアマゾンといったECモールに直接出店しており、顧客と直接の接点を持つ機会が多くなっていますが、通販事業のノウハウ不足により、配送や梱包といった製品とは関係の無いクレームが多く発生していました。また、コスメやスキンケアなどの化粧品、シャンプーや育毛剤といった理容品は、レビューサイト上で口コミが書き込まれることが多く、その中で悪評・クレームに関する内容も多く含まれていました。その他、「定期購入の解約ができない」「勝手に定期購入に移行されていた」「ねずみ講のようなものに誘われた」といった、製品ではなく購入方法に関する悪評が発生している企業もありました。
※4位以下の詳細、および、調査概要、アラームボックスの詳細につきましては、添付PDFのプレスリリース本文をご確認ください。