(株)銚子丸が働き方改革コンサルティングで全社総労働時間14%削減、営業利益194.1%増加 正社員の基本給を一律で3万円引き上げなど、企業価値向上を図る~店舗営業時間削減や業務改善などを実施、今後も女性活躍推進や継続的な給与アップに取り組む予定~
株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)が2006年の創業以来3,000社以上に提供してきた「働き方改革コンサルティング」(以下「本コンサルティング」)を、2020年1月より、関東圏でグルメ回転寿司を提供する株式会社銚子丸(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:石田満、以下「銚子丸」)に提供してきました。このほど、4年間の本コンサルティングを通して、総労働時間を14%削減したほか、営業利益を194.1%増加させるなどの成果を創出したことをお知らせいたします。
これらの成果創出には、店舗の営業時間の1時間の短縮、従業員の年間休日の増加にくわえ、11時間の勤務間インターバル制度の導入といった取組みが寄与しました。
また、銚子丸は2024年1月に正社員(銚子丸では劇団員と称する、以下「劇団員」)の基本給を一律3万円増加させることも発表しました。今後も、飲食業界特有の課題である長時間労働などの働き方や賃金に関連する環境変化に対しても積極的に対応し、従業員の意欲向上や生活の安定に向けて、両社で共同して取組みを進めてまいります。
■働き方改革コンサルティング導入の背景とこれまでの取組み内容
飲食業を営む銚子丸は、長時間労働や有休取得をはじめとする働き方について様々な問題がありました。その結果、残業や精神的負荷が大幅に増え、その負担に耐えかねて退職するという負の連鎖に陥る現状がありました。
これらを解決するべく、2020年1月より当社の働き方改革コンサルティングを導入、カエル会議Ⓡや朝メールドットコムⓇを通して時間当たり生産性を高めたほか、男性育休100%や11時間の勤務間インターバルの実施といった働き方改革を実施しました。その結果、総労働時間が14%削減したほか、男性育休取得率は100%を達成、女性管理職比率が7.7%まで上昇しました。また業績にも変化があり、営業利益は6億6,900万円(前期比194.1% )といった成果を創出することとなりました。詳しい取組みおよび成果は後述のとおりです。
このような取り組みを受け、日経ビジネス2月27日号の特集「『推し企業』ランキング」で回転寿司部門1位の受賞、Work Story Award 2021(働きがい・モチベーション・エンゲージメント部門)を受賞するなど、社内外からも高評価を得ることができました。
今後も、当社の支援をうけながら、働き方改革の更なる取り組みの推進、女性活躍推進、キャリアパス制度の確立などを進める予定です。
▼銚子丸の働き方改革コンサルティング事例紹介ページ
https://work-life-b.co.jp/case/choushimaru.html
●総労働時間が14%削減(成果を創出した取組みの紹介)
2018年から2022年にかけて、総労働時間の14%削減(対2018年度)、当期純利益の346%増加を実現しました。背景に、当社が提供する「朝メールドットコム®」の活用により、時間の使い方に変化が生まれたことがあります。これにより、従業員の生産性向上と効率化に変化が生まれ、働きやすさの向上につながりました。
以前と比べて効率的に働くことができるようになったことにより離職率が12%から7%へ大幅に減少(対17年5月期比)し、社員の定着率が向上しています。また、寿司職人でも休暇を取りやすい働き方が導入され、中途採用応募者数が増加し、採用コストを大幅に圧縮することに成功しました。さらに11時間の勤務間インターバル制度の実施への取り組みは飲食業界の中でも先進的であり、メディアに多数取り上げられました。
▼メディア掲載実績
東洋経済ONLINE「銚子丸が「人が辞めない会社」に大転換できた訳 カギは「働き方改革」、コロナ禍でも収益上げる
(URL:https://toyokeizai.net/articles/-/398466)
日経ビジネス「労基署立ち入りから人材重視へ転換 すし銚子丸の「社員の幸福度」
(URL:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00504/101800009/)
●女性役員比率33%、女性管理職比率が7.7%まで上昇
銚子丸では、女性活躍推進に早くから着目し、女性が働きやすい職場環境・キャリアアップ支援制度の整備の推進をしています。女性店長・女性管理職の積極登用をすることで、2024年中に女性店長5名 、2027年5月期女性店長30名の創出を目指しています。
そこで、女性店長候補の母集団形成のために、新たに中途採用の媒体を活用、入社後の社員教育制度に則ることで、社内での育成体制を構築しています。また社外取締役に女性を登用したことから、全社的に女性比率が向上しました。他にも、女性のパート従業員を、積極的に社員化することを推進しています。
●新卒入社者が2倍に増加(20~23年の平均入社者9名から、24年4月19名へ)
飲食業界の人手不足いう業界全体の課題もあり、これまで新卒採用・中途採用ともに苦戦を強いられてきました。2022年より、あらためて銚子丸をつくるのは「人」であることに立ち返り、将来の銚子丸を担う人材の採用や育成を戦略的に行う女性活躍推進担当の設置、2023年には人材戦略本部を設置し、採用を管轄する組織を強化、経営課題として取り組むための優先順位を引き上げて人材戦略会議や女性活躍推進会議などを開催しています。
その効果もあり、これまでの採用人数から2倍の採用数を確保することができました。(2020年:8名、21年:9名、22年:16名、23年:6名、2024年:19名予定)
2023年末には採用サイトを一新、銚子丸が考える「人」への思いや、これまでの働き方改革をふまえた働き方についての社内外への発信を始めています。
▼銚子丸・採用サイト
https://www.recruit.choushimaru.co.jp/
●男性育休取得率が100%に、1か月取得する座長も
2022年の育児・介護休業法改正に伴い、男性の育児休業をとりまく環境が大きく変わりましたが、銚子丸では2017年から働き方改革の一環として、すでに男性育休の積極的取得に取り組み続けています。業界に先駆けた取組みの背景には、決して法令遵守のためだけではなく、性別にかかわらず育児をはじめとしたライフ(私生活)に時間を使えることは従業員の幸福度の向上に密接に関係していると考えることがあり、今後も「まずは社員を幸せになること」を第一に推進しています。
男性の育児休業を推進する取組みのなかでも、当社の「男性育児休業取得コンサルティング」により、堀地元(ほりちはじめ)常務が2020年9月から100時間の育児休業を取得 、経営者自らが率先して育児休業を取得することで「男性は育児休業を取ることが難しい」といった社内の空気を一新することに一役買いました。また、2020年12月に「男性育休100%宣言」(https://work-life-b.co.jp/mens_ikukyu_100/)に賛同したことで、さらに気軽に男性が育児休業を取得できる土壌作りを行いました。こうした取組みの結果、現在では繁忙店の男性店長が1か月の育児休業を取得したり、男性育休取得率が100%になったりと、取組みが進み、これまでで、延べ11名が男性育休を取得、平均取得日は19日と着実に取得日数を増やしています。
今後は、男性の育児休業の取得日数を2週間に推奨し、育休取得申請フローの見直しや、より取得を促しやすいコミュニケーションを学ぶ場としての管理職向け研修を実施する予定です。
■働き方改革とともに行った正社員の基本給ベースアップについて
銚子丸は、働き方改革の実施とともに、将来を担う優秀な人材を確保できる環境を整え、さらなる企業価値の向上を図るべく、正社員給与一律3万円引き上げすることを2023年12月に発表しました。
飲食サービス業では、正社員の平均年収が257.6万円(※1文末に補足)と他業界に比べ低い傾向が続いています。他方で、飲食を通じてお客様に笑顔と幸せをご提供するということの価値はコロナ禍や災害などを通して再認識されているところです。そのため、お客様によりよいサービスをご提供するためにも、正社員の基本給を一律3万円引き上げ(昇給率は全社員の平均で9.3%、2024年の新入社員は12.7%)することとしました。
▼銚子丸における基本給ベースアップに関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3075/tdnet/2378120/00.pdf
■銚子丸・代表取締役社長 石田満氏コメント
2024年2月16日以降(2024年5月期第4四半期)の給与算定期間より、当社正社員に対する給与を職位等にかかわらず一律で30,000円引上げることとしました。正社員の平均で見た場合、約10%の賃上げになります。
<背景>
当社は、持続的な企業価値向上のためには、付加価値を生み出す優秀な人材を確保し、その成長を促進する人財戦略が重要であるとの考えに基づいて、2017年に働き方改革に着手し、以降従業員の処遇とその家族の生活の質(QOL/Quality of Life)の向上を推進してまいりました。そして、2020年以降に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、営業が制限される厳しい経営環境の中にあっても、全社員が一丸となって、全店フルオーダーシステム導入等をはじめとした機械化・省力化の推進による労働生産性の向上、並びに教育動画ツールの活用等による各店舗のサービスレベルの向上に邁進しながら営業の継続に努めてまいりました。2023 年に入り、やっと新型コロナウイルス感染症拡大が収束方向となり、5月には5類に移行しました。これに伴って当社の今期業績はコロナ下での業務改善努力が奏功したこともあり急回復しております。そこで、コロナ下でのこれまでの全社員の協力と貢献に対して確りと報いるため、また、昨今の物価上昇に鑑み、コロナ下で抑制を余儀なくされた給与を今回大幅に引上げることといたしました。これにより、従業員一人ひとりが今後も安心してお客様への良質な外食体験の提供に専念でき、同時に当社の将来を担う優秀な人材を確保できる環境を整えることで、更なる企業価値の向上を図るものです。
■銚子丸担当当社コンサルタントコメント
改革のスピードが非常に早く、堀地常務自ら100日間の男性育休取得、閉店時間を1時間繰り上げ、11時間の勤務間インターバル制度の実施への取り組み、オンライン化を中心としたDX推進など、まずやってみる姿勢が銚子丸の特長です。経営者自らが推進力を持ち、社長、常務自らが「朝メールドットコム」を活用することや、常務自らが男性の育児休暇取得第一号になるなど、現場に発信することで納得感を持ち改革が進んでいます。外食産業として人繰りや売上アップの難しさがある中、従業員の心身の健康と成長を常に考え続けている点が銚子丸の強さと言えます。経営者が率先垂範して働き方改革に取り組んでいる点は他社にとってのヒントとなる点です。これからの銚子丸の働き方改革のご様子にもぜひ注目ください。
■働き方改革コンサルティングとは
株式会社ワーク・ライフバランスが提供する働き方改革コンサルティングは、1期8か月にわたり、顧客企業の課題を分析し課題を発見するところから、現場に入りこんで具体的な課題の解決に向けた議論のサポート・解決策の実施支援によって新しい働き方を手に入れるまでを伴走する、働き方改革に特化したワンストップコンサルティングサービスです。2006年に提供開始以来、累計3,000社以上に導入され、残業削減しながら売上・利益を向上させる成果やチームの関係の質向上といった結果を創出してきました。
※これまでのコンサルティング事例はこちら(https://work-life-b.co.jp/case)からご覧いただけます
■「働き方改革コンサルティング」サービス概要
・サービス名:「働き方改革コンサルティング」
・内容:イノベーション創出、残業削減や生産性向上、従業員満足度向上などを実現したい企業に向け、働き方改革を行うために提供されるコンサルティングサービス。ビジネスコーチング資格を有したコンサルタントが、現場で働く従業員と直接対話しながら、具体的な課題の解決を進めて働き方を改善する。多くの企業が4部署約60名で開始し、1ターム約8か月で成果につなげる。
・提供開始:2006年11月~
・対象:企業や教育機関、官公庁、自治体など、生産性向上を目指す組織
・人数:1企業につき1部署5人程度~
◆導入先企業概要
会社名:株式会社銚子丸
代表者:代表取締役社長 石田満
サイト:https://www.choushimaru.co.jp/
創立年月:1977年11月2日
資本金:1億円
主な事業内容:
・すし銚子丸(グルメ回転すし)
・すし銚子丸 雅(グルメすし)
・江戸前すし百萬石(すし割烹)
主な受賞
・Work Story Award 2021(働きがい、モチベーシション、エンゲージメント部門)を受賞
・日経ビジネス2月27日号の特集「推し企業」ランキングで回転寿司部門1位
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来17年以上にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業3,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
・働き方改革コンサルティグ事業・講演・研修事業
・コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
・働き方改革支援のためのITサービス開発・提供
「朝メールドットコム🄬」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ🄬」
カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ🄬」「カエル会議オンライン🄬」
実績:3,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、株式会社アイシン、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。
注釈
(※1) 令和3年賃金構造基本統計調査の概況 厚生労働省調べ