【プレスリリース】真の女性活躍を目指し、組織全体の働き方改革をベースに組織内での女性の再就職人材の活躍を目指して取り組む、経営者による「女性の再就職応援宣言」の募集を開始! ~既に東大和市、銚子丸、えびの電子工業、フクヤ建設、永田メディカル、東邦オート、信幸プロテック、ペンシル、医療法人社団 花咲 あすはな歯科医院、パナソニック コネクト株式会社など 11組織が宣言~
2006年の創業以来3,000社以上の働き方改革に携わってきた株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役社長:小室淑恵)は、経済界をあげて女性の再就職を後押しすることで、誰もがそれぞれのフィールドで活躍する社会の実現をしていくために、一度仕事を辞めざるを得なかった女性の再チャレンジ応援を組織のトップが宣言する「女性の再就職応援宣言」(以下「本宣言」)の募集を開始しました。2023年8月28日に募集を開始し、2023年11月6日に自治体初として宣言をした東京都東大和市を含め、現在11組織が宣言しています。(https://work-life-b.co.jp/womens_career.html)
■宣言本文
「私たちは、結婚・育児・介護・パートナーの転勤等、何らかの理由で離職した女性の再就職・再チャレンジを応援します!女性の活躍と主体的なキャリア形成によって組織の発展と日本社会におけるジェンダー平等を推進することで、より豊かな社会の実現に貢献します」
■女性の再就職応援宣言について
日本は、世界経済フォーラムが発表する「The Global Gender Gap Report 2023」で男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数が146カ国中125位です。しかし、個別の指標を確認すると、日本の女性の「教育」と「健康」のランクは毎年トップクラスです。つまり日本は、「労働力が足りない」と嘆きながら、「世界中で最も教育されて健康な女性」を全く活用できていないという、きわめてもったいない状態にあることがわかります。これはすなわち、男女両方に対して、教育と健康に多大な先行投資しているにもかかわらず、女性人材に関してだけ、その投資を回収していないことにほかなりません。それどころか、いまや活躍の場を求めて海外に転出する女性も増え、投資した人材を海外に奪われている状況です。
現在日本には、育児などを機に仕事を辞めざるを得ず、就業していない期間(キャリアブレイク)があっても、社会に貢献したいと考えている意欲の高い女性たちが数多く存在しています。そのような人材が再び企業・組織のコアとなって活躍できる環境をつくることが、これからの人材不足を救い、価値観の多様性を生み出し、企業・組織のイノベーション創出につながります。
離職する女性たちの中には、結婚・出産だけでなく、パートナーの長時間労働や転勤、親の介護といった家族の事情や、子どもが保育園に入れないなどの理由で、本人にやる気があっても就業継続をあきらめなければいけない実状があります。また、介護離職する人のおよそ7割は女性[1]です。こうした社会背景の中、経済界をあげて、働きたい女性の再就職を後押しすることで、誰もがそれぞれのフィールドで活躍する社会の実現をしていくために、女性の再チャレンジを応援することを組織のトップが宣言します。
[1]内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和二年版」より、総務省「就業構造基本調査」
▼「女性の再就職応援宣言」詳細・宣言方法はこちら
https://work-life-b.co.jp/womens_career.html
■募集開始の背景:なぜ今「女性の再就職応援」なのか
2023年10月9日、ノーベル経済学賞の初の女性単独受賞が決まった、男女の賃金格差を研究する米ハーバード大学教授クラウディア・ゴールディン氏は記者会見において、日本では女性の労働力率は上がっていて、以前より女性が働ける状態にはなっているものの、パートなど短時間労働が多く「女性を労働力として働かせるだけでは解決にならない」と指摘しました。
厚生労働省の令和4年雇用動向調査結果によると男性の入職率が13.2%、離職率が13.3%なのに対し、女性の入職率は17.6%、離職率が16.9%と、日本の労働市場において女性はいまだに辞めざるを得ない状況になりやすく、しかしチャンスさえあれば再び市場に戻ってくることができる存在であることがわかります。
働く女性を取り巻く環境は、この10年において、2015年の女性活躍推進法施行、2019年の働き方改革関連法施行、2022年の改正育児介護休業法施行による男性の育児休業の取得促進及び改正女性活躍推進法による男女の賃金格差の開示義務化などが進み、長時間労働を強いられずに責任ある仕事を担うことができる環境に変化してきました。企業における労働力不足も一層強くなりました。そうしたことから、長期のブランクがある女性達に対しても諦めずに再び労働市場に参入することを応援することで、企業と女性の双方に大きなメリットがある社会環境が整ってきています。
■日本の女性活躍は何が間違っていたのか
日本以外の国では、女性活躍を政府が推進する際に「強力な労働時間改善政策」も同時に推進しました。フランスでは、出生率が改善した1997年~2000年に、国全体の所定労働時間を週35時間制に変更しています。企業が従業員の10%を短時間で雇用すると、社会保険料が一人当たり91万円も免除される制度などを作り、企業が短時間で働く従業員を雇用するメリットを打ち出しました。
ところが、日本はそういった「強力な労働時間改善政策」は経済の成長を妨げるという経済団体の主張を尊重し、「長時間労働社会のまま女性活躍を推進」しました。22時までの延長保育で支えて長時間労働できる女性を社会に送り出すという、他国に例を見ない手法を取った結果、そんなハードな生活に耐えられる、もしくは両親に完全に頼ることができるほんの一部の女性だけが男性社会に生き残り、多くの女性はどんなに頑張っても長時間残業を受け入れられないのならば評価されないというマミートラックに入りました。
長時間労働社会のままの女性活躍は、結果として残業が独身女性へのしわ寄せとなり、子どもがいてもいなくても苦しい構造が職場のいがみ合いを生み出しました。上司や同僚が長時間労働の中で、子どもが産まれた男性は育休取得や育児参画が十分にできず、家庭内でも夫婦のいがみ合いが増幅されました。職場も夫婦も、長時間労働社会に不当にいがみ合わされてきたと言えます。
こうして日本の女性活躍は「男性並みに働かないと評価されない職場」で「活躍も報酬も限定的」となり、クラウディア・ゴールディン氏が「彼女たちは本当はどこにも進んでいないと言える」と指摘した状態を引き起こしています。
2019年3月、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「政策が現状のままだと40年後には日本の実質GDPは25%低下してしまう恐れがあります。この理由は、人口減少と少子高齢化によるものです。このような日本の経済鈍化の予測を見ても、女性の社会進出を促し、能力を高めることは大変意義があります。もし日本が女性の活躍推進を含め、労働力全体の強化などを重点とするさまざまな改革を実行すれば人口減少や少子高齢化のマイナス影響を跳ね返し、40年後には実質GDPを15%伸ばすことができる」と分析しています。また、ゴールドマンサックスも「男女の就業率格差解消によるGDPの押し上げ効果は最大で15%に達する可能性がある」というレポートを発表しており、真の女性活躍による経済効果は明らかです。
他国が行ったように「強力な労働時間改善政策」が日本にも必要であり本質的な働き方改革と女性の活躍はセットです。また、それが実現できるのは大企業だけではありません。地方の中小企業にとって、生き残りの道にもなりえます。
2024年は、2019年の「改正労働基準法の5年後見直し」のタイミングでもあり「マジョリティのゲームチェンジによる本気の女性活躍」がこれから目指すべき道であるということを「女性の再就職応援宣言」企業の可視化により示すべく、「女性の再就職応援宣言」の募集を開始致します。
■「女性の再就職応援宣言」において具体的に推奨する取り組み
女性活躍推進法の5つの柱「募集・採用」「継続就業」「労働時間の状況」「管理職への登用」「キャリアアップ」のうち、特に入り口となる「募集・採用」の点で次の取り組みを推奨します。
・就業ブランクに関わらず募集・採用する仕組みがある
・再就職した女性労働者の継続就業のためのフォロー・サポートの仕組みがある
・女性労働者の非正規社員から正社員に転換する仕組みがある
・過去に在籍した女性労働者を正社員として再雇用する仕組みがある
・おおむね30歳以上の女性を正社員として採用する仕組みがある
本来はジェンダーを問わず、全ての人の再就職・再チャレンジを応援する社会であることが必要です。とはいえ、現状においては、ライフイベント等による離職は女性が多く、また、就業ブランクがあることにより、再就職へのハードルが高い現実があることに対し、ポジティブ・アクションとして現状を見直し、必要に応じた制度や仕組みの新設を推奨します。
■なぜ株式会社ワーク・ライフバランスが女性の再就職応援宣言を募集するのか
2006年の創業より、当社は働き方改革のリーディングカンパニーとして、ワーク・ライフバランスの実現に取り組んで参りました。これまでに3,000社以上の企業や組織の働き方改革をサポートし、2016年に開始した「労働時間革命宣言」では62社・42自治体から賛同を得て、労働時間の上限規制の法制化を政府に働きかけました。2019年に開始した「男性育休100%宣言」では128社から賛同を得て、男性育休の周知義務化を政府に働きかけました(2023年11月6日現在172社)。11時間の勤務間インターバルの設定は国の政策としてさらに強力に推し進めるべきであるとの考えから、2022年に募集を開始した「勤務間インターバル宣言」は現在43社[2]となっており、引き続き政府等への提言も行っています。
ある大手運輸企業では、それまで「長時間働く」ことを前提にして採用難に苦しんでいましたが、大型トラックではなく軽トラもOKにし、シフトを細かく分けたところ、優秀な女性たちにたくさん活躍してもらえるようになりました。医療業界でも、子育て中の女性医師を積極的に採用することにより、子どもが小さいうちは日勤の対応しかできなくても数年後には夜勤にも入れるようになり、長期的なコア人材の育成と活躍につなげた病院が生まれています。 2024年、これまで労働時間の適用の対象外であった、建設業・運輸・医師の労働時間に上限が施行されます。各業界ではどう労働時間の上限の範囲内で働くのかと悲鳴が上がっている今こそ、女性の力を活かす時です。
これまでの企業や組織の女性活躍の取り組みは「いかにして女性を辞めさせずに活躍させられるか」が主流でしたが、「それぞれの事情で離職した女性もいかにしてコア人材として活躍させられるか」という点についてさらに提言を進めてまいります。 SDGs「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」「パートナーシップで目標を達成しよう」の実現も目指し、「女性の再就職応援宣言」にぜひご賛同ください。
[2]2023年11月6日時点
■すでに宣言している組織一覧(宣言順、敬称略)
▼企業・組織
株式会社銚子丸 代表取締役社長 石田満
えびの電子工業株式会社 代表取締役社長 津曲慎哉
フクヤ建設株式会社 代表取締役 福家淳也
株式会社永田メディカル 取締役 仙石祥枝
東邦オート株式会社 代表取締役 秋葉佑
信幸プロテック株式会社 代表取締役 村松守
株式会社ペンシル 代表取締役社長CEO 倉橋美佳
医療法人社団 花咲 あすはな歯科医院 理事長 中野真紀
パナソニック コネクト株式会社 代表取締役 執行役員 プレジデント CEO 樋口泰行
株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長 小室淑恵
▼自治体
東大和市 東大和市長 和地仁美
■宣言によせて、宣言者からのメッセージ
各企業様のメッセージは弊社HP(以下URL)よりご確認くださいませ。
https://work-life-b.co.jp/20231107_26644.html
■宣言参加方法
「女性の再就職応援宣言」に賛同する場合は、専用ページより手順に従ってお申込みください。
▼女性の再就職応援宣言ページはこちら
https://work-life-b.co.jp/womens_career.html
■関連するプレスリリース
【プレスリリース】東京都東大和市が自治体初「女性の再就職応援宣言」に賛同、同時に「勤務間インターバル宣言」にも署名し、株式会社ワーク・ライフバランスとともに働き方改革懇談会を設置~市役所の働き方改革を本格始動、Well-beingの向上を目指す~
https://work-life-b.co.jp/20231107_26588.html
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来17年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業3,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益が18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業などの成果が出ている。長時間労働体質の企業への組織改革が強み。コロナ禍において、「朝メールドットコム®」導入企業は7倍に伸びている。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業
コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
働き方改革支援のためのITサービス開発・提供、「朝メールドットコム®」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ®」、カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ®」
実績:3,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、株式会社アイシン、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。