【プレスリリース】【コロナ禍における中央省庁の残業代支払い実態調査】 全額支払い指示後もなお3割が残業代を正しく支払われていないことが判明 残業代を最も正確に支払っていないのは「財務省」「厚生労働省」
2021年4月22日
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・支払わない理由で多いのは「テレワーク分は残業にカウントしない」
・質問通告時間が遅い・デジタルツールに対応しない議員名・政党名が判明
・国会議員から「今日中に対面で」説明を要請され、時間に遅れると土下座も
・デジタルツールを積極的に使う国会議員86名が「デジタル実践議員宣言」を実施
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2006年の創業以来、働き方改革コンサルティングを民間企業1,000社以上に提供し、経済産業省・内閣府・総務省・国土交通省等の行政機関にも働き方改革コンサルティングを行ってきた株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵) は、この度「コロナ禍における中央省庁の残業代支払い実態調査」を実施しました。
2021年1月22日の河野太郎国家公務員制度担当大臣の会見で国家公務員の超過勤務手当に関し「残業時間はテレワークを含めて厳密に全部付け、残業手当を全額支払う」と語り、麻生太郎財務相の理解を得たと説明しました。「不正があれば私に言ってほしい。『やらない、やらせない、見逃さない』を徹底したい」とも強調しました。そこで、2021年2月・3月の国家公務員の残業代について全額の支払いがされたのか本調査を実施、国家公務員316名の回答を収集した結果をお知らせいたします。
人事院の発表によると、2019年度には6名の国家公務員の過労死が発生、2021年3月22日には厚生労働省の8階でハンマーで窓を割った投身自殺未遂事件も起きています。昨年8月に当社が発表した調査結果(「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」では、回答者の約4割が「過労死レベル」である「単月100時間」を超える時間外労働をしていたことが明らかとなりました。メンタル疾患の罹患率は民間企業の3倍にのぼり、若手の離職率は6年前の4倍となっています。また、2021年度の国家公務員採用試験では総合職申込者は14.5%減少し、5年連続の減少で、減少幅は過去最大となりました。
こうした国家公務員の疲弊した実態を招いているのが、国会議員の質問通告時間の遅さと、国会議員や省庁幹部のアナログさです。そこで、本調査では「質問通告は2日前まで」というルールを守り、出来る限りデジタルツールを活用して、国家公務員の働き方に配慮している議員やルールを守らずデジタルツール対応も拒否する議員の党名・氏名を具体的に回答する項目を設置しました。その結果、次のような結果が明らかとなりました。
<調査結果の主なポイント>
1.全額支払いの指示が出てもなお「3割」が残業代を正しく支払われていないと回答
2.残業代を最も正確に支払っていないのが「財務省」「厚生労働省」、
支払っているのは「環境省」「内閣官房」
3.残業の原因は国会議員の質問通告の遅さとアナログさ
質問通告の「2日前ルール」は「守られていない」85%
4.質問通告時間が遅いのは「立憲民主党」「共産党」、
デジタル対応が遅れているのは「立憲民主党」「自民党」
5.「オンラインで議員レクができる」と答えた人は17%から67%に急伸、
「議員とのやり取りがFAXではなくメール等に」は14%から69%へ急伸
「大臣レクのデジタル化」は1位:環境省。前回に比べ防衛省・法務省が大きく躍進
最も対面を求められる省庁が外務省、内閣官房、内閣府
6.「テレワークを全くしていない」4割、「テレワークを禁止等されている」35%
7.残業代不払いに「諦め」71%、「モチベーション低下」42%、「転職先探し」26%
8.残業・働き方・転勤・異動・評価制度・処遇等で困っていること、良くなったこと
-困っていることにはパワハラに関するコメントも多くみられる。良くなったことでは、世論の高まりから働き方に変化を感じるコメントも。
9.デジタルツールを積極的に使う「デジタル実践議員宣言」は86名に
こうした現状があるなかで国家公務員採用において優秀な人材が集まらなくなることにより、政策の質が低下し国益が大きく損なわれることが考えられ、早急な改善が求められます。
コロナ禍において、国民への給付金もままならない中、国会会期中に発生する国家公務員の残業代は約102億円、タクシー代は約22億円と試算されています。質問通告が遅くなる、真要因は、国会を開催するか否かを争う「日程闘争」が、国会対策委員会の与野党議員によって直前まで行われ、開催されるかどうかも決まらないという事情があります。
しかし国会議員が質問通告を2日前に終え、基本的なデジタルツールの使い方を覚えて対応するだけで、年間248億円もの財源を国民に回すことが出来、優秀な人材の獲得と政策の質向上が実現できるのですから「国会議員の慣習だから」と看過することは許されず、中央省庁の長時間労働問題に目を向け、その原因となる議員の行動を正していくことが必要だと言えるでしょう。
<省庁別回答者内訳>
省庁別回答者内訳は、国土交通省 54 名(回答者中 17.1%)、厚生労働省 46 名(同 14.6%)、防衛省 38 名(同 12.0%)、文部科学省 25 名(同 7.9%)、内閣官房 22 名(同 7.0%)、総務省 20 名(同 6.3%)、環境省 19 名(同 6.0%)、経済産業省 18 名(同 5.7%)、農林水産省 14 名(同 4.4%)、内閣府 13 名(同 4.1%)、財務省 11 名(同 3.5%)、法務省 10 名(3.2%)、外務省 8 名(同 2.5%)、人事院 2 名(同 0.6%)、復興庁 1 名(同 0.3%)、その他 15 名(同 4.7%)、となっています。省庁別の比較の際には、回答者数の少ない人事院・復興庁・その他は除外しています。
<年齢別回答者内訳>
年齢別回答者内訳は、20代141 名(回答者中 44.6%)、30代 124 名(同 39.2%)、40代 45 名(同 14.2%)、50代以上 6 名(同 1.9%)となっています。20代、30代の回答者が多い理由については様々な理由が考えられますが、20代、30代の利用者が多いSNS等でアンケートが拡散されたことの他、特に若手~中堅層の課題意識が強いこと、残業代についての調査として打ち出したことから、残業代の対象ではない年齢層が回答を控えたことなどが推察されます。
※調査結果詳細は別添プレスリリースからご覧ください。
<本件に関する報道関係者様からのお問合せ先>
株式会社ワーク・ライフバランス 広報 三山、新井
Email: media@work-life-b.com /Mobile:070-2262-9043(三山)、080-5974-7827(新井)
取材・出演・執筆に関するお問い合わせはフォームよりご連絡ください。
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