ニュースレター:10月29日は「世界脳卒中デー」 【脳梗塞に関する意識調査】 症状が出ても、2.5人に1人が「様子見・わからない」 〜脳梗塞は「時間との闘い」だが、すぐ受診・救急は約6割どまり〜

株式会社ティムス(本社:東京都府中市、代表取締役社長:若林拓朗)は、10月29日の「世界脳卒中デー」を前に、全国の20〜69歳の男女1,000名を対象に「脳梗塞に関する意識調査」を実施しました。
脳卒中は日本人の死因第4位※で、その多くは脳梗塞です。発症後の対応の早さが予後を左右する「時間との闘い」の病です。それにもかかわらず、脳梗塞を疑う症状があらわれても、2.5人に1人(40.2%)が「様子を見る」、「わからない」と回答しています。また、発症から治療開始までの時間の余裕も「わからない」36.0%、誤った認識の「半日」、「1日」、「数日以内」の合計12.0%と併せて48%も存在するとの調査結果が出ました。
脳梗塞は、ある日突然起こり、発症からの時間が経つほど治療機会が減少するとされます。命を守り、良好な予後につなげられるかは、初期症状を知っているか、そして「おかしい」と感じたときにすぐ行動できるかが重要です。一方で、本調査では脳梗塞のサインや治療開始までの時間の猶予についてなど、脳梗塞に対する理解が十分に浸透していない実態が明らかとなりました。
※ 厚生労働省「令和5年(2023年)人口動態統計」
■調査サマリー
・脳卒中、脳梗塞、脳出血の区別が曖昧
「脳卒中・脳梗塞・脳出血」の違いを説明できる人はわずか6.3%。
・脳梗塞リスク要因の理解度は高い
回答率は、「高血圧」70.5%、「塩分の多い食事」61.8%、「たばこ」58.8%などが上位。
・普段の生活習慣での予防対策は不十分
「運動不足」(47.3%)、「ストレス」(31.7%)が上位で、「健康診断を受けていない」人は18.2%も
・初期症状の理解度も比較的高い
「ろれつが回らない」61.7%、「手足のしびれ」57.9%、「顔のゆがみ」41.4%だが、初期症状が「わからない」人が22.5%
・発症から治療開始までの時間の余裕(治療時間枠)の理解度は不十分
「わからない」36.0%、誤った認識の「半日」、「1日」、「数日以内」の合計が12.0%も存在、
・脳梗塞を疑う症状が突然あらわれても2.5人に1人は様子見・わからない
「すぐに受診・救急車」と答えた人が59.8%に対して、「様子を見る」「わからない」が40.2%に上る
■「脳卒中・脳梗塞・脳出血」の違いを説明できる人は6.3%
脳卒中・脳梗塞・脳出血の違いについて尋ねたところ、「説明できる」人は6.3%にとどまりました。「なんとなく知っている」30.1%を合わせても4割以下と少数で、「言葉は聞いたことはあるが違いは知らない」50.0%と「知らない」13.6%の合計が6割以上を占めています。脳卒中は脳梗塞や脳出血などの総称ですが、その違いは生活者に十分に浸透していない実態がうかがえます。
・脳卒中(のうそっちゅう)
脳の血管の詰まり(脳梗塞)や破裂(脳出血)によって、突然脳の神経細胞が障害される病気の「総称」
・脳梗塞(のうこうそく)
脳の動脈が詰まることで、その先に血液や酸素が届かなくなり、脳の組織が壊死(えし)する病気(脳卒中全体の約7〜8割を占める)
・脳出血(のうしゅっけつ)
脳の中の細い動脈や、脳の表面を走る血管のこぶ(脳動脈瘤)が破れて脳の組織の中に直接出血し、血液のかたまり(血腫)が脳を圧迫する病気(脳卒中全体の約2〜3割を占める)
■リスク要因は「高血圧」が7割で最多、当てはまる生活習慣では「運動不足」や「ストレス」が上位に
脳梗塞のリスクを高めると思う生活習慣を尋ねたところ、「高血圧」70.5%、「塩分の多い食事」61.8%、「たばこ」58.8%、「飲酒」55.7%が上位に挙がり、リスク要因の理解度が高いことがうかがえます。
一方、自分に当てはまる生活習慣としては「運動不足」47.3%、「ストレスが多い」31.7%、「睡眠不足」30.7%が上位で、「健康診断を受けていない」人も18.2%と一定数存在しました。リスクの知識は浸透している一方、日々の生活習慣には改善の余地があることがうかがえます。
■脳梗塞の初期症状、「ろれつ」「手足のしびれ」は約6割が認知、一方で2割超は「わからない」
脳梗塞の初期症状として当てはまると思うものを尋ねたところ、「ろれつが回りにくい・言葉が出にくい」61.7%、「片方の手足のしびれ・力が入らない」57.9%、「片方の顔がゆがむ・下がる」は41.4%と、比較的認知度は高いとの結果が出ました。一方、初期症状が「わからない」と回答した人が22.5%いました。
■治療までの時間の余裕、「わからない」が36.0%で最多
脳梗塞を発症した場合、治療を始めるまでにどのくらいの時間の余裕があると思うかを尋ねたところ、最も多い回答は「わからない」で36.0%。次いで「1時間以内」(27.4%)、「3時間以内」(16.3%)となり、3時間以内までと考える人が4割超を占めます。一方、「半日以上」(「半日」「1日」「数日以内」の合計)と回答した人も約1割(12.0%)と、一定数存在しました。
脳梗塞が「時間との闘い」であるという認識は、生活者に十分には浸透していない実態がうかがえます。
■脳梗塞を疑うサインが出ても、2.5人に1人が「様子見・わからない」
手足のしびれやろれつが回らないといった症状が突然あらわれたときの行動を尋ねたところ、2.5人に1人(40.2%)が「様子を見る」・「わからない」と回答しました。なかでも「しばらく様子を見る」が17.1%と最も多くみられました。「すぐに病院を受診する、または救急車を呼ぶ」と答えた人は約6割(59.8%)と、すぐに動くことの必要性は一定程度認知されていますが、いざというときに適切な行動をとることができるかが、予後に大きな影響を与えます。脳梗塞は発症後の迅速な対応が重要とされ、「様子を見る」間に治療の機会が失われる懸念があることから、脳梗塞のサインとその後の行動のあり方をひとりでも多くの人に知ってもらうことが重要です。
■専門家に聞く 脳梗塞「時間との闘い」とTMS-007への期待
東北大学大学院 医工学研究科 神経再建医工学分野 教授 新妻 邦泰 先生
【脳梗塞の初期対応について】
脳梗塞は時間が経つほど救える範囲が狭まります。「少し様子を見よう」が予後を左右します。異変を感じたら、ためらわず受診・救急要請を。
【TMS-007への期待】
現在の血栓溶解療法は発症後4.5時間以内が原則で、治療機会が限られる患者さんも少なくありません。開発中のTMS-007には、今後の検証を通じ、より多くの患者さんに治療を届ける可能性を期待しています。
■ ティムスが開発中の脳梗塞治療薬の新薬候補「TMS-007」
TMS-007は血栓溶解作用に加え炎症を抑える作用を持っており、この2つの作用により血栓溶解を進めつつ脳保護的に働くことが示唆されています。そのため、現在の脳梗塞治療薬の「原則4.5時間以内」の投与の壁を大きく超えることが期待されています。
2018年から2021年にかけてティムスが国内で実施した臨床試験(前期第Ⅱ相臨床試験)では、下記の事項が示唆されています。
①安全性
TMS-007群とプラセボ群を比較した解析では、TMS-007の投与による有害事象(好ましくない、または意図しない兆候・症状)の増加は認められませんでした。
②治療可能時間を拡大
この臨床試験は、既存薬の原則発症後4.5時間以内という制限を大きく超える、12時間の枠で行ったもので、平均的な薬剤の投与時間は脳梗塞発症9時間程度でした。それにもかかわらず、プラセボ群と比較して脳出血などの副作用は増加しませんでした。
③後遺症を抑える
脳梗塞発症90日後に後遺症のない状態(患者の自立度の尺度モディファイド・ランキン・スケールmRSで0-1)まで回復した患者の割合は、プラセボ18.4%に対し、TMS-007投与群では40.4%と、統計学的に有意な差となりました。
TMS-007は急性期脳梗塞治療の新たな治療選択肢につながる可能性が期待されています。TMS-007には、日本発の画期的な新薬候補として世界の医療現場から期待を寄せられており、現在、20か国に及ぶ大規模な国際臨床試験(ORION試験)において、投与時間を発症後最大24時間までに拡大し、この結果を検証中です。
■ ティムス「脳梗塞に関する意識調査」概要
・調査期間:2026年10月13日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国の20代から60代までの男女1,000名
■ ティムスとは
当社は、2005年に東京農工大学発酵学研究室教授(2023年定年退職、現特任教授)の蓮見惠司(当社設立以来、研究成果実用化のため、取締役、代表取締役社長等を兼務)らが発見した医薬シーズを実用化することを目的に設立されました。
同研究室は、故・遠藤章博士(コレステロール低下薬スタチンの発見者、2008年ラスカー臨床医学研究賞、2017年ガードナー国際賞)の研究の流れを汲むもので、微生物由来の生理活性物質の探索研究を行い、それらの作用機序および薬効を明らかにしてきました。その過程で、TMS-007を含む多数の新規化合物が見出されました。
2018年6月には、リード化合物であるTMS-007をバイオジェン(米国)に総額3億5,700万ドルで導出する、日本のバイオベンチャーによるディールとして大規模なオプション契約を締結しました。























