TMS-007(JX10)関連の論文に関するお知らせ
株式会社ティムス(以下「当社」という。)は、TMS-007(JX10)の前期第Ⅱ相臨床試験に関する論文が学術雑誌関連のブログに取り上げられ、また第Ⅰ相臨床試験に関する論文が表彰されたことの連絡を受けましたので、お知らせいたします。
「Blogging Stroke」への掲載について
TMS-007(JX10)の前期第Ⅱ相臨床試験結果に関して学術雑誌「Stroke」(米国心臓協会AHA: American Heart Association/米国脳卒中協会ASA: American Stroke Association発行)に掲載された論文*1が、同学術雑誌の情報発信サイト「Blogging Stroke」において取り上げられました。「Blogging Stroke」は、「Stroke」誌に掲載されたハイ・インパクトの論文に関する情報を発信するものであり、記事はAikaterini Theodorou氏(MD, MSc, PhD,)によって執筆されています。
Blogging Stroke掲載URL:https://www.ahajournals.org/do/10.1161/blog.20250507.876823
*1 Niizuma et al. Anti-Inflammatory Thrombolytic JX10 (TMS-007) in Late Presentation of Acute Ischemic Stroke. Stroke. 2024
Wiley社「Top Viewed Article」への選定について
TMS-007(JX10)の第Ⅰ相臨床試験に関して学術誌「British Journal of Clinical Pharmacology(BJCP)」に掲載された論文*2が、2023年にBJCPに掲載された論文の中で閲覧回数が上位10%以内に該当する「Top Viewed Article」として表彰されました。
*2 Moritoyo et al. A first-in-human study of the anti-inflammatory profibrinolytic TMS-007, an SMTP family triprenyl phenol. Br. J. Clin. Pharmacol. 2023
TMS-007(JX10)は、現在、CORXEL Pharmaceuticals主導にてグローバル第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験「ORION」を実施中ですが、当社といたしましては、長く待ち望まれている急性期脳梗塞の新たな治療薬としての可能性が、多くの専門家から注目されているものと認識しております。
【TMS-007(JX10)について】
急性期脳梗塞を適応症とするTMS-007は、当社が前期第Ⅱ相臨床試験までの開発を行い、他のSMTP化合物ファミリーとともに導出した低分子化合物であり、現在はCORXELを主体として開発が進められています。当社は、TMS-007の日本における独占的な開発販売権と、日本を除く全世界における開発・販売に対するマイルストーン一時金及びロイヤリティを受領する権利を、CORXEL から得ています。
TMS-007は、プラスミノーゲンの立体構造変化を介した血栓溶解による血流再建と、可溶性エポキシドヒドロラーゼ阻害を機序とする抗炎症作用に基づく虚血再灌流障害の抑制というメカニズムを併せ持っており、単剤で「血流再建」と「虚血再灌流障害抑制」の双方の治療戦略に対応する薬剤候補です。そのため、t-PA等の薬剤及び薬剤候補物質に対する優位性があると考えられます。
当社が日本国内で実施した前期第Ⅱ相臨床試験において、TMS-007は良好な結果を収めております。現在、急性期脳梗塞治療薬として認可されている唯一の血栓溶解剤t-PAには、頭蓋内出血を助長する副作用のリスクがあることが知られております。この副作用リスクを軽減するため、t-PAの使用は原則として発症後4.5時間以内に制限されています。これに対して、出血リスクが低いと想定されるTMS-007の前期第Ⅱ相臨床試験においては、発症後12時間まで(TMS-007群の平均9.5時間)被験者を組み入れました。その結果、プラセボ群では米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)4以上の悪化を伴う症候性頭蓋内出血の発生頻度が2.6%(1/38)であったのに対して、TMS-007群では0%(0/52)であり、TMS-007の安全性が示唆されました。また有効性においても、生活自立度を評価するモディファイド・ランキン・スケール(mRS)のスコアのゼロ(全く症候がない)又は1(症候はあっても明らかな障害はない)への転帰率において、TMS-007は統計的な有意差を伴う有効性を示し、急性期脳梗塞のゴールド・スタンダード・エンドポイントを達成しております。
以上





















