国立大学法人九州大学との急性腎障害予防・治療薬の共同研究開始のお知らせ

~未だ有効な治療薬が存在しない急性腎障害の革新的予防・治療薬候補TMS-008の研究開発を加速~
株式会社ティムス(以下「当社」)は、国立大学法人九州大学(所在地:福岡県福岡市、総長:石橋 達朗)との間において、とTMS-008 の急性腎障害(acute kidney injury; AKI)に対する薬効を評価する共同研究を開始いたしましたので、お知らせいたします。
ティムスの主要開発品目TMS-008は心臓手術後AKIの予防・治療薬候補です。
本共同研究は心臓手術に限らず、より広範な要因によるAKIに対するTMS-008の予防・治療効果を検討するものであり、将来的にTMS-008 を用いるAKI治療の対象患者層を拡大できることが期待されます。
【共同研究の概要】
(1)研究背景:
(a)九州大学の研究実績
九州大学病院 心臓血管外科(塩瀬明科長)では、ウサギ体外循環(人工心肺)モデルを用いて、体外循環が腎臓に及ぼす病態生理に関する研究を行っています。この背景には、体外循環を伴う心臓手術後に急性腎障害AKIの発症頻度が上昇することがあります。直近では、ウサギ体外循環モデルで見られるAKIに対するナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害薬ダパグリフロジンの効果を検証しました※1)。
※1) Matsuda K, et al. Acute Dapagliflozin Administration Ameliorates Cardiac Surgery-Associated Acute Kidney Injury in a Rabbit Model. Circulation Journal. 88(9):1488−1498 (2024).
(b)ティムスの研究実績
ティムスでは、黒カビ由来の生理活性物質SMTP化合物群の開発を手掛け、その一つTMS-007の脳梗塞患者を対象とした前期第Ⅱ相試験に成功しています2)。また、TMS-007と一部の作用が異なるTMS-008 を開発中です。TMS-008 は、可溶性エポキシドハイドロラーゼ阻害に基づく抗炎症作用及び抗酸化作用によって急性腎障害の治療薬等としての可能性が期待されます。 2025年にTMS-008 の健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験を完了し、現在、心臓手術後のAKIの予防・治療におけるTMS-008の効果を確認するため、待機的心臓外科手術患者を対象とした次相臨床試験の準備を進めています。
マウスを用いた非臨床試験で、TMS-008は血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス、血中尿素窒素といった腎機能マーカーを正常レベルまで改善し、尿細管再吸収機能の指標である電解質(ナトリウム及び塩素)排泄率及び腎障害に伴い上昇する尿中NGALや血清HO-1の上昇を有意に改善しました(図3)。
※2) Niizuma K, et al. Anti-Inflammatory Thrombolytic JX10 (TMS-007) in Late Presentation of Acute Ischemic Stroke. Stroke. 55(12):2786−2794 (2024).
(2)本共同研究の目的:
これまでの両者の研究実績と経験を併せて、心臓手術に限らず、より広範な要因による AKI の予防・治療を目標として、新たなウサギAKIモデルを作製し、TMS-008の効果を検討するとともに薬理作用の機序を明らかにすることによりTMS-008開発を加速します。
(3)期待される成果:
TMS-008 を用いるAKI治療の対象患者を拡大できる(より多くの患者にTMS-008を適用できるようになる)ことが期待されます。
【急性腎障害について】
急性腎障害は、数時間から数日の間に腎機能が急激に低下する疾患ですが、これまでのところ急性腎障害を適応として承認された医薬品はありません。冠動脈バイパス手術または心臓弁手術後の急性腎障害の発症率は43%、当該症例の30日以内の死亡率は20%に達するという報告があります※3)。 このようなことから、AKI治療薬の開発が待望されています。
※3) Machado MN, et al. Acute kidney injury based on KDIGO (Kidney Disease Improving Global Outcomes) criteria in patients with elevated baseline serum creatinine undergoing cardiac surgery. Rev Bras Cir Cardiovasc. 29(3):299−307 (2014).
以上






















