TMS-007(JX10)に関する第50回日本脳卒中学会学術集会での発表のお知らせ
株式会社ティムス(以下「当社」)は、2025年3月6日~3月8日開催の第50回日本脳卒中学会学術集会において、下記のとおりTMS-007(JX10)に関するプレゼンテーションが行われることをお知らせいたします。
記
1. 講演の概要
演題:
急性期脳梗塞に対する抗炎症血栓溶解剤JX10 (TMS-007)の安全性・有効性
発表者: 新妻 邦泰1-3、西村直子4、蓮見惠司4,5
1東北大学大学院医工学研究科神経外科先端治療開発学分野
2東北大学大学院医学系研究科神経外科先端治療開発学分野
3東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野
4株式会社ティムス、
5東京農工大学大学院農学研究院
セッション名:Late Breaking Session 01
講演日時:2025年3月7日(金)14:25~15:55
開催場所:大阪国際会議場 第1会場
詳細はSTROKE 2025のwebサイトをご参照ください。
https://site.convention.co.jp/stroke2025/
2. 講演要旨
[目的]
JX10 (TMS-007)は、抗炎症性、抗酸化性等を併せ持つ新規の血栓溶解薬である。BBB保護作用等も有し、出血性変化が危惧されるような重症脳梗塞や、発症後時間が経過した例などでも優れた治療効果を発揮することが期待されている。本研究の目的は、急性虚血性脳卒中(AIS)の治療において、JX10(TMS-007)の有効性と安全性を評価することである。特に、発症から12時間以内と、従来の治療法では対応できない時間枠での効果を検証した。
[方法]
試験デザインは多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。対象者は日本国内の急性期脳梗塞患者90名で、JX10投与群 (1 mg/kg、3 mg/kg、6 mg/kgの3つの用量) と、プラセボ群にランダムに割り付け、比較された。主要評価項目は、治療開始後24時間以内にNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)の4点以上悪化を伴う症候性頭蓋内出血 (sICH)の発生率、副次評価項目は、血管再開通率、modified Rankin Scale (mRS)による機能的アウトカムなどとした。
[結果]
JX10群ではsICHの発生率は0%(0/52)であり、プラセボ群の2.6%(1/38)と比較して有意差を認めなかった(p = 0.42)。24時間後の血管再開通率は、JX10群で58.3%(14/24)とプラセボ群の26.7%(4/15)を上回った(オッズ比4.23, p = 0.03)。90日後のmRSスコア0–1を達成した患者割合は、JX10群で40.4%(21/52)に対し、プラセボ群では18.4%(7/38)と有意に多かった(p = 0.03)。
[結論]
JX10は12時間以内の脳梗塞に安全に使用可能であり、mRSの改善や血管再開通の増加を認めた。急性期脳梗塞の治療において、従来の時間枠を超える有望な血栓溶解薬である可能性が示唆された。さらなる大規模試験が必要であるが、本研究結果から、より広範な梗塞患者への適用可能性も期待される。
以上