『2022年度“部屋選び”に関する調査 ~ポストコロナの部屋選び~』 「物件はスペックよりもライフスタイルに合うか」で選ぶ コロナ前と比較して「街の雰囲気」をより重視
ライフスタイルや「好きな街に住む」ことを重視する人が増加し平均家賃は7,086円アップ
家の中での過ごし方は「料理をする」が1位。「広いキッチン」を求める人が増加
家の周辺施設についても調べる人が増え、「銭湯/サウナ」「ジム」のニーズが上昇
全国219カ所のリアル拠点と不動産DXのシナジーでライフスタイルデザインを追求するハウスコム株式会社〔所在地:東京都港区 代表取締役社長執行役員:田村 穂 プライム市場 コード番号:3275、以下ハウスコム〕は、コロナ前後の賃貸物件選びの変化を明らかにし、多様化するライフスタイルと住まいの実態を把握するため、全国の「ポストコロナ」(2021年4月以降) と「コロナ前」(2010年~2019年)の賃貸物件への引っ越し経験者それぞれ約600人を対象に『部屋選びとライフスタイルに関する調査』を実施しました。
新型コロナウイルスの感染拡大から約2年がたち、「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」などを経た、新たな生活様式の中での多様な「部屋選び」と、ライフスタイルの実態を明らかにしました。
ハウスコムは、お部屋探しにとどまらず、「ライフスタイルをまるごとデザイン」する“ライフスタイルデザイナー”をあるべき姿として、顧客ニーズの変化への柔軟な対応に取り組んでいます。本調査で明らかになった価値観の変化に寄り添い、これからも「好き」が見つかるお部屋探しを全力でご提案してまいります。
◆ポストコロナの部屋選びでは「街の雰囲気」を重視する人が増加
・ 平均家賃は「コロナ前」63,912円から「ポストコロナ」70,999円と、7,086円増加
・ 「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」が「コロナ前」39.4%から「ポストコロナ」43.6%で4.2ポイント増加
◆コロナ前引っ越し者の物件満足度は平均67.4点、ポストコロナは平均71.7点で4.4ポイント増加
・ コロナ前の物件への不満は「騒音」「キッチンや部屋が狭い」など
・ 賃貸物件検索の際にあってほしいチェックボックスは「防音性が高い(かどうか)」
◆「物件は単純スペックより自分のライフスタイルに合うかを重視」が84.0%でコロナ前より増加
・ コロナ前より、物件の周辺施設に夜間利用やテイクアウト可の飲食店・スポーツジム・銭湯があってほしいと思う人が増加
◆趣味や価値観など、多様なライフスタイルに合わせた部屋選び
・ 趣味が「家庭菜園」の人は「街の雰囲気」を、「仕事にやりがいを感じている」人は「騒音」を重視
◆ポストコロナの内見(訪問)平均回数は2.84回、オンライン内見平均回数3.05回
全国の15~49歳の男女のうちポストコロナ(2021年4月以降)に引っ越しをした580人および今後1年以内に引っ越す予定の人13人計593人と、コロナ前(2010年~2019年)に引っ越しをした経験がある人579人を対象に部屋選びの条件やライフスタイルについての調査を行いました※
※調査結果の数字はポストコロナ層/コロナ前層各600人となるようウェイトバック集計を行っております。
1. 在宅時間の増加を受け、部屋の設備や間取りにお金をかける人が増加
平均家賃はコロナ前より7,086円アップ
引っ越しをした(する予定の)賃貸物件のスペックについて聞きました。
「間取り」では「1K」(ポストコロナ24.1%、以下同)を約4人に1人が回答し、最も多くなりました。2位の「2LDK」(15.9%)はコロナ前より1.7ポイント微増しています。「階数」は「2階」(39.5%)が約4割と一番人気で、コロナ前より3.9ポイント増加。2位の「1階」(19.1%)も約2割が回答しています。
「家賃」は平均「70,999円」でコロナ前の63,912円より7,086円増加しています。「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」という人がコロナ前より増加している(P.4[図7])ことから優先度の変化にも影響を受けているといえそうです。
「部屋の設備」の導入率については「独立バス/トイレ」(73.7%)はコロナ前より5.8ポイント増加し、「フローリング」(65.8%)や「バルコニー/ベランダ」(60.3%)を選ぶ人も増えています。築年数は平均「14.96年」でコロナ前より1.18年浅く、新しい物件が以前より好まれているようです。
在宅時間の増加を受けて、より快適な住環境を求めて設備や間取りにお金をかける人が増えているといえそうです[図1]。
2. コロナ前よりも「街の雰囲気」を重視する人が増加
引っ越しを検討する際に重視した(している)項目の1位は「家賃」(72.0%)でした。
コロナ前と比較し特に「街の雰囲気」(35.1%)で10.2ポイント、「最寄り駅の路線/交通アクセス」(51.4%)で8.8ポイント、「水回りの設備の充実」(20.1%)で7.2ポイントの増加が見られました。
コロナ禍でも好アクセスの立地が重視されている一方、「街の雰囲気」や「水回りの設備」といった、普段の生活を豊かにする項目がより重視されている傾向がうかがえます[図2]。
3. ポストコロナ引っ越し者の物件の満足度は平均71.7点
引っ越し先の満足度について100点満点で評価してもらったところ、ポストコロナが71.7点、コロナ前が67.4点で、ポストコロナに引っ越しをした人の方が4.4ポイント高い満足度であることが分かりました[図3]。
コロナ前に引っ越した人が不満に感じていることを自由回答で見てみると、「部屋やキッチンが狭い」「壁の薄さ」「騒音」「日当たりが悪い」などの声が上がりました。
4. 賃貸物件検索の際にあってほしいチェックボックスは「防音性が高い(かどうか)」
インターネットで賃貸物件を検索する際、希望に合わせてチェックボックスを選択する方法が一般的ですが、どのような選択項目が求められているのか、あってほしい項目を聞きました。
最も多くの人が回答した「防音性が高い」(47.2%)はコロナ前と比較して2.6ポイント増加しており、前述の「コロナ前に引っ越した人が不満に感じていること」でも「壁の薄さ」や「騒音」といった声が多く挙げられたことからも、家の中の音環境が良いことへの需要が高まっているといえそうです。
コロナ前と比較すると、「テレワークができるカフェや施設が近くにある」(17.4%)が9.5ポイント、「料理が楽しめる広いキッチンがある」(28.1%)が5.3ポイント、「サウナや銭湯が近くにある」(14.9%)が4.2ポイント増加しています。
コロナ禍での生活スタイルの変化に伴い、防音性が高いことへのニーズはますます高まり、料理を楽しむのに十分な広さといった構造や間取りの充実に加え、仕事やリフレッシュも可能な周辺環境の充実も重視する人が増えていることがうかがえる結果となりました[図4]。
1. 「スペックよりもライフスタイルに合うか」を重視 84.0%
ポストコロナの引っ越しは、「広い部屋」「好きな街」に住むことをより重視
引っ越しを検討する際の考え方について聞いたところ、 「物件は単純なスペックではなく、自分のライフスタイルに合っているかで選ぶ」(「とてもあてはまる」「ややあてはまる」の合計:84.0%)は、コロナ前より7.8ポイント増加[図5]。「学校や会社から遠くても広い物件に住みたい」(同46.2%)は、8.8ポイント増加しており、コロナ禍を経て、利便性だけでなく、ライフスタイルや広さに余裕がある物件に住むことを重視する人が増えていることが分かりました[図6]。
また、「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」(同43.6%)も4.2ポイント増加しており、好きな街に住むことを優先したいと考える人が増えた結果が、平均家賃の増加 (P.2[図1])にも影響をしていると考えられます[図7]。
2. ポストコロナの家の中での過ごし方、「料理」「仕事」「友達を呼ぶ」が増加
家の中での過ごし方は、コロナ前は「テレビや動画、映画鑑賞」が最も多かったのに対し、ポストコロナは「料理をする」が1位となりました。コロナ前と比較すると、「料理をする」(60.2%)が11.5ポイント、「仕事/勉強」(37.9%)が9.8ポイント、「電話/音声通話」(27.5%)が8.1ポイント、「友達を呼ぶ」(24.2%)が8.3ポイント、「インテリアや飾りつけにこだわる」(19.0%)と「エクササイズやトレーニング」(18.9%)が6.3ポイントずつ増加。自炊や仕事に加え、人とのコミュニケーションや、エクササイズをしたりインテリアにこだわるなど、家の中の過ごし方やライフスタイルも人それぞれ多様化し、暮らしを楽しむ工夫をする人も増えているようです[図8]
3. コロナ前より、夜間利用やテイクアウト可の飲食店・スポーツジム・銭湯の需要が増加
家の周辺環境について、「あってほしい」と思う施設や場所を聞いたところ、「スーパー」(75.8%)、「コンビニ」(69.7%)、「ドラッグストア」(64.5%)となり、近所で日用品の買い物ができることが重要だと考える人が多いようです。
一方コロナ前と比較すると「夜間営業している飲食店」(22.5%)が6.2ポイント、「テイクアウトができる飲食店」(32.0%)が6.0ポイント、「スポーツジムや、気軽に汗を流せる銭湯やサウナを求める人も増えていることが分かりました。