エス・エム・エスが提供する「ナース人材バンク」、医療従事者によるマッチングで人材紹介経由の離職率が121%改善。臨床現場への高い理解力で独自の研修プログラムを継続的に改修し、さらなるサービス品質向上を実現~医師の働き方改革を目前に、看護師長向けリーダー研修など人材育成を見据えた施策も紹介~
株式会社エス・エム・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤夏樹、東証プライム、以下「当社」)は、提供する看護師・助産師・保健師向け人材紹介「ナース人材バンク」(URL:https://www.nursejinzaibank.com/)をはじめとする医療領域のキャリアサービスにおいて、医療従事者の採用による実績と、さらなるサービス品質向上に向けた取り組みについてまとめました。
■社会背景
超高齢社会の進行に伴い医療・介護の需要が増加し続ける中、生産年齢人口の減少により、医療や介護などのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。看護師を例にすると、2025年には日本全体で6~27万人が不足すると見込まれており※1、その対応のため、急性期を担う400床以上の大病院から100床以下の中小病院、在宅医療の中核となる訪問看護ステーションまで、多くの事業者が民間職業紹介事業者を利用しています※2。中には、職業紹介事業者の従事者・事業者への理解不足が原因で、適切なマッチングが行われず、採用後のミスマッチや早期離職に繋がるケースが見受けられています。
これらの状況を踏まえて、医療系職種の職業紹介事業者として、業界全体のサービス品質を高め、従事者と社会全体からの信頼を向上させることを目的に、2015年に当社が代表幹事として、「一般社団法人日本人材紹介事業協会」の下部組織となる「医療・介護・保育系紹介協議会(旧:医療系紹介協議会)」を発足しました。国も従事者採用を行う有料職業紹介事業者のマッチングの質を向上させることを目的に、適正な職業斡旋業務を行う事業者を見える化する「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を創設しました。当社は2021年11月に第一回適正事業者の認定を受けています。
2024年4月から施行される医師の働き方改革を促進するためには、医師の労働時間短縮が必要であり、他職種へのタスクシフト・シェアのさらなる推進が求められています。中でも医師から看護師へのタスクシフト・シェアには特定行為など、高度な技能が必要な業務が含まれており、技術力向上に向けた教育・研修等の対策が必要です※3。このことからも、看護師の新規就業者数を増やすとともに、現在就業している方や復職を希望する方がやりがいを感じながらスキルアップ・キャリアアップを実現し、長く働き続けられるような職場への就業・定着支援がより一層求められています。
■医療従事者キャリアパートナーによる質の高いマッチングの提供とNPSⓇ※4の向上について
職業紹介事業者において、従事者と事業者のマッチングの質を高めるためには、両者を繋ぐ転職・採用支援担当の存在が欠かせません。当社では、キャリアパートナー(以下「CP」)と呼ばれる転職・採用支援担当が、従事者と事業者の双方とコミュニケーションを取る「両面営業」のスタイルを取り、お互いが納得のいく転職・採用活動を支援することで、より良いマッチングを創出しています。また、人材紹介未経験でも早期に質の高いマッチングが行える人材を育成するために、専任のCP教育組織を設けています。当組織では、座学での業界知識の習得や、従事者の働き方体験研修、さまざまな職種・シーンを想定したロールプレイング研修など、独自に体系化された研修プログラムを構築しています。CPが研修プログラムを受講することで、最適なマッチングに必要な知識や経験を総合的に身につけることができ、より従事者・事業者双方のニーズに合った提案が可能になります。
2021年からは、高度急性期病院などで十分な臨床経験を積んだ20代後半から30代前半の若手医療従事者をCP(以下「医療従事者CP」)として積極的に採用しています。従事者や事業者の悩みを理解する解像度の高さと、当社の研修プログラムにより、医療従事者CPはより質の高いマッチングの提供が可能になっています。「同じ医療従事者の方に転職の対応をしていただけるのは安心する」といった声や、初回の転職面談におけるNPSⓇにおいて、医療従事者CPの方が、通常のCPと比較して7%高いという結果も出ており、お客様から好評をいただいています※5。
■医療従事者キャリアパートナーによる組織への好影響と人材紹介経由の離職率の改善について
医療従事者CPは個々の良質なマッチングの提供だけではなく、キャリアサービスの組織全体にも良い影響を与えています。まず、医療従事者CPの知見を前述した研修プログラムへの開発・改修に活かすことで、さらなる教育の質向上に貢献しています。また、医療従事者CPの人数は110名を超えており※6、それぞれが各部署に配置されているため、非医療従事者のCPとの接点も多く、日頃の業務から従事者・事業者理解が促進されるような学びの機会が数多く生まれています。
このように、医療従事者がCPとして活躍することはマッチングの質が向上するだけでなく、研修プログラムの充実や、医療従事者CPと非医療従事者CPの交流による学びの促進など、キャリアサービス組織全体への好影響に繋がっており、この一連の流れを繰り返すことで、組織能力は継続的に向上しています。また、成果として、CPが転職を支援した従事者の早期離職率は医療従事者の採用を開始した前後で約121%改善しており※7、継続的にマッチングの質が高まっています。
■キャリアサービスのさらなる品質向上に向けた取り組みについて
当社は、医療従事者CPによる研修プログラムの改良を通じて教育の質を向上し、その研修プログラムによって成長したCPがより良いマッチングを提供する、というサイクルを、より早く大きく回し、より多くの従事者・事業者に価値提供するために、今後も医療従事者CPの採用を増やしていきます。さらに、従事者の不足と偏在を解消するために、当社では事業者向けに良い人材が長期に渡り活躍できる組織を築くための就業後の定着支援を実施しています。
≪従事者が事業者に定着し、より活躍するための取り組み≫
・医療法人・介護事業者の従業員満足度調査「FitnES+(フィットネスプラス)」
従事者採用や定着に悩む医療機関向けに、従業員満足度調査「FitnES+(フィットネスプラス)」を提供しています。処遇や組織風土、業務内容、想定勤続年数に関するアンケートを通じて自組織の健康状態を可視化し、アンケート結果は調査レポートとして確認が可能です。同規模・同機能病院と比較することで、自院の強みや課題が明確になり、調査結果で得られた強みは採用を進める際のアピールポイントとして活用できます。また、課題を改善することで既存職員の定着やモチベーションアップに繋がります。
・医療機関の師長・プリセプターに向けた新入職員の定着促進研修
当社の医療領域のキャリアサービスで複数名採用に至った医療機関へ、新入社員の定着に向けた師長・プリセプター向けのリーダーシップ研修を実施しています。新入社員をサポートする立場の師長やプリセプター向けにワークショップやディスカッションを通じたリーダーシップ研修を実施することで、新入社員が中長期的に活躍することができる理想の組織体制の構築を支援します。研修以外にも、当社社員がハンズオンで医療現場へ入り込み、採用業務の改善や事業者の受け入れ対策を支援しています。
・訪問看護師向けの採用・定着に関するオンラインセミナー講演
当社の関東エリアマネージャーによる、訪問看護ステーションで従事する看護師向けの採用と定着をテーマにしたオンラインセミナーを開催しました。当社が2023年3月に実施した約1.9万人の看護師意識調査の分析結果を元に、採用・定着しやすい事業者の特徴や、より理想的な組織に近づくための改善ポイントを解説しました。
■事業責任者からのコメント
・株式会社エス・エム・エス 医療キャリア事業本部 本部長 山本健
当社事業、医療・介護・保育系紹介協議会、認定事業者制度等の活動を通じ、人材紹介サービスの質に対する期待とご懸念を、お客様や医療系業界団体様より直接いただく機会が多くございます。その声を真摯に受け止めていく中で、「お客様と共に、お客様に望まれるサービス作りをすることで、より安心して選んでいただけるサービスへと発展し地域医療に貢献する、そのようなロールモデルとなるサービス作りのあり方ができないか?」と考えるようになりました。そして2年前から、その想いに共感してくださる臨床経験豊富な若手医療従事者を積極的に採用し、既存社員と医療従事者の社員が相互に学び合い、切磋琢磨しながらキャリアサービスの提供に努める組織へと発展しています。今後もさらに業界を深く理解した専門性の高いプロ集団として磨きをかけながら地域医療に貢献していく所存です。
■看護師資格を持つ医療従事者社員からのコメント
・株式会社エス・エム・エス 医療キャリア事業本部CP育成グループ 本多いくみ
従事者のキャリア支援を通じてこの業界における課題解決に貢献したい、という思いで入社しました。入社後最も印象に残ったのは、社員皆が誠心誠意、リスペクトをもって従事者と向き合う姿でした。今後もさらに弊社サービスが従事者に寄り添ったものであるよう、社員の業界理解を深めることに自分の経験を活かし尽力したいと思います。
※1:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(案)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07019.html)より
※2:独立行政法人福祉医療機構「『病院の人材紹介手数料』に関するアンケート調査 -調査結果概要-」(https://www.ajha.or.jp/voice/reports.html)より抜粋して作成
※3:厚生労働省「タスク・シフト/シェア推進に関する検討会 議論の整理の公表について 参考資料」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15678.html)より
※4:Net Promoter Scoreの略称で、顧客ロイヤルティ(企業や商品・サービスへの愛着度)を測る指標のこと
※5:当社調べ。2022年4月1日~2024年1月14日間における入社後11か月時点での看護師資格をもつCPとそれ以外のCPの初回転職面談時のNPSⓇの比較
※6:当社調べ。2022年4月1日~2024年3月31日時点までの当社医療キャリア事業本部へ入社および入社見込みの医療従事者資格を取得する社員人数の累計
※7:当社調べ。医療従事者の採用前(2017年4月~2020年3月期間)と採用後(2022年7月~2023年6月期間)における当社が転職を支援した看護師の6ヶ月以内離職率の比較による改善率
【医療領域のキャリアサービスについて】
当社のキャリアサービスでは、従事者不足によって起こる「質の高い医療・介護サービスの提供が困難になる」という社会課題に対し、「医療・介護の人手不足と偏在の解消」に貢献することで解決を目指しています。従事者の不足と偏在を解消するには、従事者と事業者、双方へ支援を行い、最適なマッチングを促すことが必要です。従事者に対しては職業人生の全期間において理想のキャリアを歩むために、必要な情報と機会を提供し、その従事者が働く事業者に対しては採用・人事課題を解決する支援を行っています。
また、従事者に対してより良い就業機会を提供するためには、紹介先となる事業者の採用課題や特徴、魅力などを詳しく把握することが欠かせないため、当社では事業者の採用課題解決や労働環境の改善につながるサービスを提供しながら、大病院から地域の病院、訪問看護事業者や介護施設まで、さまざまな事業者との関係性を深めています。
【エス・エム・エスの医療領域のキャリアサービスについて】
■看護師・助産師・保健師向け人材紹介「ナース人材バンク」
URL:https://www.nursejinzaibank.com/
■診療放射線技師向け人材紹介「放射線技師人材バンク」
URL:https://www.jinzaibank.com/hjb/
■臨床検査技師向け人材紹介「検査技師人材バンク」
URL:https://www.jinzaibank.com/kjb/
■臨床工学技士向け人材紹介「工学技士人材バンク」
URL:https://www.jinzaibank.com/mejb/
■保育士向け人材紹介「保育士人材バンク」
URL:https://hoiku.jinzaibank.com/
■管理栄養士・栄養士向け人材紹介「栄養士人材バンク」
URL:https://ejb.eichie.jp/
■看護師向け求人情報「ナース専科 求人ナビ」
URL:https://job.nurse-senka.jp/
■看護学生向け就職活動情報「ナース専科 就職ナビ」
URL:https://recruit.nurse-senka.com/
■看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」
URL:https://nurse-senka.jp/
■高校生・看護学生向け奨学金情報「看護奨学金Navi」
URL:https://www.ksnavi.jp/
■治療家・セラピスト向け人材紹介「ウィルワンエージェント」
URL:https://www.jinzaibank.com/woa/
■治療家・セラピスト向け求人情報「JOBNOTE」
URL:https://job-note.jp/
■柔道整復師・あはき師向け受験参考書「国試黒本」
URL:https://kurohon.jp/
【株式会社エス・エム・エスについて】
2003年創業、2011年東証一部上場、2022年4月より東証の市場区分変更によりプライム市場へ移行。「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをミッションに掲げ、「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを開発・運営しています。
名称:株式会社エス・エム・エス
所在地:東京都港区芝公園2-11-1住友不動産芝公園タワー
代表者:代表取締役社長 後藤夏樹
会社設立:2003年4月
資本金:23億1,518万円(2023年3月31日現在)
従業員数:連結3,703人、単体2,343人(2023年3月31日現在)
事業内容:高齢社会に求められる領域を、医療・介護・ヘルスケア・シニアライフと捉え、価値提供先であるエンドユーザ・従事者・事業者をつなぐプラットフォームとしての情報インフラを構築し、40以上のサービスを展開
URL:https://www.bm-sms.co.jp/