TMS-007(JX10)のORION(第2相/第3相)臨床試験における最初の被験者への投与のお知らせ
株式会社ティムス(以下「当社」)は、本日、Corxel Pharmaceuticals Limited(以下「CORXEL」)が、TMS-007(JX10)の臨床試験「ORION」(Optimizing Reperfusion to Improve Outcomes and Neurologic Function)において最初の患者を登録した旨を発表しましたので、お知らせします。ORION試験は、最終健常確認時(Last Known Well:LKW)から4.5~24時間以内に受診された急性脳梗塞(AIS)の患者さんを対象に、TMS-007(JX10)の神経学的転帰の効果を調査するものです。
【ORION試験について】
ORION試験は、多施設・シームレス・二重盲検・プラセボ対照・無作為化・並行群間比較の第2相/第3相臨床試験です。最終健常確認時(Last Known Well:LKW)後4.5~24時間以内のAIS患者さんを対象として、TMS-007(JX10)の静脈内投与を行い、その有効性と安全性について評価を行います。なお、本試験は、世界20カ国以上において、150以上の施設で実施される予定です。
被験者は合計約740名が登録され、Part1では240名の被験者において用量探索を行い、Part2では500名の被験者を対象にPart1で選択された用量の効果を確認します。
有効性の主要評価項目は、90日後のmodified Rankin Scale(mRS)による機能的自立度の評価です。
CORXELのプレスリリース:
https://www.corxelbio.com/en/press-releases/corxel-announces-first-patient-enrolled-in-orion-the-registrational-clinical-trial-of-jx10-in-patients-with-acute-ischemic-stroke/
なお、当該登録による業績への影響は軽微です。今後、TMS-007(JX10)に関して開示すべき事象が発生又は判明した場合には、速やかにお知らせいたします。
TMS-007(JX10)について
急性期脳梗塞を適応症とするTMS-007は、当社が前期第Ⅱ相臨床試験までの開発を行い、他のSMTP化合物ファミリーとともに導出した低分子化合物であり、現在はCORXELを主体として、次相臨床試験の準備が進められています。当社はTMS-007の日本における独占的な開発販売権と、日本を除く全世界における開発・販売に対するマイルストーン一時金及びロイヤリティを受領する権利を、CORXEL から得ています。
TMS-007は、プラスミノーゲンの立体構造変化を介した血栓溶解による血流再建と、可溶性エポキシドヒドロラーゼ阻害を機序とする抗炎症作用に基づく虚血再灌流障害の抑制というメカニズムを併せ持っており、単剤で「血流再建」と「虚血再灌流障害抑制」の双方の治療戦略に対応する薬剤候補です。そのため、t-PA等の薬剤及び薬剤候補物質に対する優位性があると考えられます。
当社が日本国内で実施した前期第Ⅱ相臨床試験において、TMS-007は良好な結果を収めております。現在、急性期脳梗塞治療薬として認可されている唯一の血栓溶解剤t-PAには、頭蓋内出血を助長する副作用のリスクがあることが知られております。この副作用リスクを軽減するため、t-PAの使用は原則として発症後4.5時間以内に制限されています。これに対して、出血リスクが低いと想定されるTMS-007の前期第Ⅱ相臨床試験においては、発症後12時間まで(TMS-007群の平均9.5時間)被験者を組み入れました。その結果、プラセボ群では米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)4以上の悪化を伴う症候性頭蓋内出血の発生頻度が2.6%(1/38)であったのに対して、TMS-007群では0%(0/52)であり、TMS-007の安全性が示されました。また有効性においても、生活自立度を評価するモディファイド・ランキン・スケール(mRS)のスコアのゼロ(全く症候がない)又は1(症候はあっても明らかな障害はない)への転帰率において、TMS-007は統計的な有意差を伴う有効性を示し、急性期脳梗塞のゴールド・スタンダード・エンドポイントを達成しております。
以上





















