TMS-008の第Ⅰ相臨床試験結果についてのお知らせ
株式会社ティムス(以下「当社」)は、急性腎障害等を対象疾患として開発中の TMS-008 について、第Ⅰ相臨床試験(以下「本試験」)の最初のデータリードアウトを行い、TMS-008 の良好な安全性・忍容性が示されたことをお知らせいたします。
本試験は、TMS-008を世界で初めて人に投与するFirst in Human試験であり、TMS-008を単回静脈内投与した時の安全性・忍容性、及び薬物動態等を評価する目的で、健常な成人男性を対象として、TMS-008 を5つのコホート毎に段階的に用量を引き上げて投与いたしました。この結果、投与した全てのコホートにおいて、TMS-008 の良好な安全性・忍容性が示され、薬物動態等の解析においても目標を達成いたしました。
本試験の概要は、jRCT(Japan Registry of Clinical Trials)のWeb サイトからご確認いただけます。
URL:https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCT2031240084
【TMS-008 について】
TMS-008 は、TMS-007(JX10)と同じく黒カビ由来のSMTP(Stachybotrys microspora triprenyl phenol)化合物のファミリーに属する低分子化合物であり、可溶性エポキシドハイドロラーゼ(sEH)阻害に基づく抗炎症作用及び抗酸化作用によって急性腎障害の治療薬等としての可能性が期待されます。急性腎障害は、数時間から数日の間に腎機能が急激に低下する疾患ですが、これまでのところ急性腎障害を適応として承認された
医薬品は知られておりません。急性腎障害は、心臓手術や薬剤の副作用によるもの等、様々な原因により発症します。冠動脈バイパス手術、または心臓弁手術を受けた患者さんを対象とした調査においては、術後 43%の患者さんに急性腎障害の発症がみられ、当該症例における 30 日以内の死亡率は 20%に達するという報告※もある重篤な疾患であります。このようなことから、有効な治療薬に対する大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在すると考えられます。
※ Machado MN, et al. Rev Bras Cir Cardiovasc. 29: 299―307 (2014)
以上