非流通空き家を借り手の想いで動かす 「さかさま不動産」にて33軒目の成約 〜間借り出店をステップに西尾へUターンし本格タコス起業~
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」を介して、メキシコ料理「タコス」で起業したい想いが愛知県西尾市の駅ナカ物件とマッチングしました。2024年6月にさかさま不動産を通じ名古屋市で間借り出店した経験をステップに、地元へUターンしての開業となりました。
■貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ■
深刻化する空き家問題。総務省によると、2023年の空き家率は過去最高となる13.8%(900万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は42.7%(385万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
※1 総務省 「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」
■さかさま不動産の狙い■
さかさま不動産は、不動産の概念をひっくり返し、借りたい「人」の想いを可視化して、共感する物件所有者を募る仕組みです。逆さにすることで「家情報は公開したくないが良い人がいれば貸したい」といった潜在的空き家所有者はじめ、「貸す人や使途は選びたい」など、所有者・地域側のニーズと合致。
これまで本屋やサウナ、駄菓子屋など地域に根ざした事業・文化が全国で32軒生まれており、不動産マッチングが創出する、人や地域を育む場としての「価値」に共感の輪が広がっています。
※サービス開始:2020年6月|HP:https://sakasama-fudosan.com/
■借主:今夏、間借り出店を経験し、地元でのUターン起業へ■
借主は愛知県西尾市出身でタコス屋としての起業準備中だった山田尚史さん(30)。8歳の時にメキシコで食べたタコスのおいしさを忘れられず、商社営業マンを退職してタコス屋起業を決意しました。飲食店未経験ながら、その想いに家主からの応援を得て、さかさま不動産を通じて2024年6月に名古屋市で間借り出店を実現。計6日間で約30人の来店があり、お客様の反応から手ごたえも得ました。一方でオペレーションや接客、メニュー内容など多くの改善点を痛感し、体制整理のため一度間借り営業を終了しました。その後も課題改善や資材・材料輸入などを続けながら、名古屋近郊から地元である西尾市へと出店場所を広げて検討して場所探しをしていました。
▶さかさま不動産掲載記事 https://sakasama-fudosan.com/lessee/memorable-mexicantacos/
■貸主:名鉄西尾駅構内のテナント。安城の飲食店オーナーが飲食出店を応援■
今回の貸主は、愛知県安城市で和食店を経営する浜島さん。約2年前に名鉄西尾駅構内でわらび餅店を営んでいましたが、2023年に営業を終了し、その後空き店舗の活用を検討していました。
■想いに共鳴したさかさま不動産西尾支局の仲介力■
地域リレーションのサポートに入ったのは、さかさま不動産 西尾支局。山田さんが出身地の西尾での開業も視野にいれていることから、さかさま不動産本部から西尾支局を繋ぎ、さっそく現地で空き物件や空き家で開業した物件ツアーを開催しました。
山田さんの想いや経験を聞く中で、かねてから相談を受けていた浜島さんの駅構内店舗が立地や規模、お人柄などフィットするのではとお引き合わせ。
浜島さんは山田さんについて「第一印象は真面目。でも話を聞いたらとても熱い想いがある」。浜島さんがオーナーとなり、飲食事業経験の少ない山田さんをバックアップしながら、山田さんが店主としてタコス店をオープンする運びとなりました。
西尾支局の石川氏は、「ただの+1店舗ではなく、彼の想いや行動力、サラリーマン時代に身に着けた貿易の知識が西尾の魅力づくりにひろがっていく」と期待しています。挑戦をまち全体で応援することで、新規事業者を増やし、地域やまちが線や面としてさらににぎわうことを目指しています。
■店舗概要■
▶Mesikko Tacos(メシッコタコス)
住所:〒445-0851 愛知県西尾市住吉町4丁目18−4 西尾駅構内
本オープン :10月15日(火)6:30-10:00/17:00-21:30
営業時間 :(平日)6:30-10:00(LO9:30)/17:00-21:30(LO21:00)
(土日祝)11:00-21:30(LO21:00)
公式Instagram https://www.instagram.com/mesikko.tacos/
営業スタイル:イートイン/テイクアウト
席数:10~12席(オープン当初は席数を絞って営業予定)
■地域と連携してフォローする仕組みへ■
空き家が増え続ける一方、借りられる空き家は少ないというのが各地の共通課題。単に空き家を埋める事を目的とせず、どんな人がどう活用するのかを地域側も選ぶ必要性が出ています。
さかさま不動産では、空き家を介した丁寧な関係性づくりの重要性を感じ、2022年よりさかさま不動産支局制度を開始※。現在は愛知県西尾市など16拠点と連携し、借主貸主からの問合せ対応や地域リレーションのサポートを実施。交流人口拡大や地域活性化・産業の振興に繋がるケースが生まれつつあります。また月1回は支局同士の情報交換を行い、地域を越境した情報共有を図っています。
※さかさま不動産支局:空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組み
■今後の展開■
空き家を介した関係性づくりに共感が集まり、全国の自治体やまちづくり団体との連携が広がりつつあります。10月18日には和歌山県和歌山市、12月には兵庫県尼崎市にてさかさま不動産支局が開局され、年内には三重県伊勢市での開局も予定されています。
やりたい想いを伝えることで応援者に出会えるプラットフォームとなり、空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にして挑戦を応援する気風づくりを目指します。
■さかさま不動産西尾支局について■
2011年市町村合併で海辺・農地・中心市街地と特徴の異なる地域が入り混じる地域。中心市街地の活性化を目指しイベント等を担ってきた石川氏と、海岸で飲食店事業を行いながら移住相談等にも答えていた牧氏が中心となり、2022年11月にさかさま不動産の支局を開局。自らが町の中で誰よりも動く者となることをモットーにチームで「挑戦したい人」を応援する。
住所:西尾市鶴ケ崎町6−2(特定非営利活動法人やらまいか人まちサポート内)|電話:090-3569-6346|
メール:hiro109169@gmail.com|担当:石川
■株式会社On-Coについて■
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵|設立:2019年3月|所在地:三重県桑名市西別所1375|事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)|HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。