「塾は子どもだけでは通えない」9割超の保護者が送迎 送迎する保護者の3人に2人が「送迎の時間が負担」と回答 他方で送迎負担のないオンライン形式の塾の検討者は49.2%、利用者は28.4% ~送迎負担が、塾のオンライン形式を後押し~ 【花まる教育研究所調べ】NEW
学習塾「花まる学習会」や野外体験イベントを通じて、子どもたちの「生きる力を育む教育」を実践する花まるグループ(株式会社こうゆう、本社:埼玉県さいたま市、代表:高濱正伸)。同グループが運営し、教育・子育てを取り巻く社会課題を調査・研究する「花まる教育研究所」(URL: https://www.hanamarugroup.jp/edu-lab/ )は、第6弾調査として「子どもの学習系習い事の環境調査」を実施しました。年中~小学6年生のお子さまがいる保護者208名から回答を得ています。
■調査背景
共働き世帯が増え、保護者の働き方が多様化する中、子どもの通塾を取り巻く環境も大きく変化しています。近年は猛暑やゲリラ豪雨、防犯上の不安など、子どもの移動そのものが保護者の負担となっています。特に、送迎が「できない・難しい」場合には、時間の調整や子どもの安全への不安など精神的な負担につながる一方、送迎が「できる」家庭においても、毎日の送り迎えは時間や体力を消耗する大きな負担となります。こうした社会環境の変化を受け、「教育内容」だけでなく、「無理なく続けられるか」「保護者が持続的に支えられるか」という視点も、塾選びの重要な要素になりつつあります。
■調査目的
本調査は、以下を目的として実施しました。
・通塾している家庭における送迎の実態を明らかにすること
・送迎に伴う時間的・心理的な課題を可視化すること
・双方向のコミュニケーションを取りながら学ぶ形式について、教室に通う「通塾形式」と、自宅からオンライン会議システムで参加する「オンライン形式」のどちらが、どの程度利用されているのかを把握すること
■学習形式の分類について
今回の調査では、子どもの学習系習い事を、先生と生徒の間にリアルタイムの双方向コミュニケーションがあるかを基準に、「双方向型」と「一方向型」に分類しました。
「双方向型」には、教室に通い、先生から直接指導を受ける「通塾形式」と、教室には通わず、自宅などからオンライン会議システムを利用して先生と学ぶ「オンライン形式」を含めています。いずれも、先生と生徒がリアルタイムでやり取りしながら学ぶ点が共通しています。
一方、「一方向型」には、先生と生徒がリアルタイムでやり取りすることを基本とせず、教材や学習系アプリなどを使って自ら学習する「通信教育・学習系アプリ」を分類しました。
なお、本調査では、「双方向型」の「オンライン形式」と「通信教育・学習系アプリ」を明確に区別しています。 「双方向型」の「オンライン形式」は、教室に通わない「非通塾」でありながら、先生と生徒がリアルタイムにコミュニケーションを取りながら学ぶ学習形態を指します。
■主な調査結果
1.通塾形式の利用が58.6%と大半を占めるが、オンライン形式の利用も28.4%と一定数存在
2."塾は子どもだけでは通えない" 保護者の91.8%が送迎を担う
3.送迎の課題1位は「時間がとられる」66.7% 92.8%が何らかの負担を実感
4.約2人に1人がオンライン形式を検討 "特別な選択肢"から"当たり前の選択肢"へ
5.オンライン形式の最大の懸念は「子どもの集中」65.6% 学習面への不安も根強く
6.オンライン形式を選んだ理由は「送迎不要」だけではない 約4人に3人が学習効果を実感
■ 考察(花まる教育研究所 所長 高濱 正伸)
今回の調査で浮かび上がったのは、子どもの「塾選び」の裏側に、保護者の時間という大きなコストが存在していることです。通塾形式のみを利用する家庭の91.8%では、保護者が日常的に送迎を担っています。そして送迎の課題を尋ねると、最も多かったのは「時間がとられる」(66.7%)でした。雨や猛暑、防犯への不安もありますが、家庭にとってより日常的な負担となっているのは、毎週、確実に発生する送迎の時間です。つまり「塾は子どもが通うもの」である一方、その通塾を支えているのは、保護者の時間でもあるのです。
こうした中、オンライン形式を検討した経験のある家庭は49.2%にのぼりました。実際の利用者は28.4%とまだ少数ですが、オンライン形式が「特別な家庭のための学び方」ではなく、通塾に伴う時間的な負担を減らすための選択肢として、多くの家庭に認識され始めていることがうかがえます。
一方で、オンライン形式への移行を妨げているのは、主に「学びの質」への不安です。利用していない家庭では「子どもが集中できないと思う」が65.6%と最も多く挙げられました。しかし実際の利用者で「子どもの集中力が続かない」を挙げたのは33.9%にとどまります。もっとも、この2つは別々の集団への別々の設問であり、また、オンライン形式を選んで続けている家庭ほど、もともと相性がよかった可能性もあります。単純に「使えば不安は消える」と言い切ることはできません。それでも、利用者が挙げた課題の1位が「友達との交流がしにくいこと」(55.9%)へと入れ替わっている点は示唆的です。使う前に想像する壁と、使ったあとに立ち現れる課題は、必ずしも同じではないのかもしれません。
また、オンライン形式の利用者では、学習効果を感じている保護者は74.5%にのぼりました。オンライン形式は、単に「送迎がいらない」という利便性だけではなく、一定の学習効果を実感できる学び方として受け入れられつつあります。一方で、学習効果を「非常に感じる」は23.7%であり、まだ発展途上の学習形態であることも見逃せません。
これからの課題は、オンラインか通塾かという形式の優劣を決めることではないでしょう。大切なのは、保護者が負担する時間を減らしながら、子どもにとって必要な学びの質や人とのつながりをどう保障するかという視点です。
教育の本質は、学ぶ場所そのものではなく、子どもが自ら考え、人と関わり、挑戦する力を育むことにあります。オンライン形式が今後さらに広がるとすれば、送迎という家庭の時間的負担を軽減するだけでなく、画面の向こうでも子どもが人と関わり、学び合える環境をどうつくるかが重要になります。
「通塾形式の塾に通えるかどうか」は、子どもの意欲や学力だけでなく、保護者の時間や家庭の事情が左右する。今回の調査は、そんな現在の教育環境の一側面を示しています。これからは、子どもの学びを支える家庭の時間にも目を向けながら、通塾とオンライン、それぞれの強みを生かした学びのあり方を考えていく必要があるのではないでしょうか。
■詳細
1.通塾形式の利用が58.6%と大半を占めるが、オンライン形式の利用も28.4%と一定数存在
現在利用している学習系の習い事の形式を尋ねたところ、58.6%が通塾形式を利用していることが分かりました。内訳は、「すべて通塾形式の塾」が24.0%、「通塾形式に加え、家庭教師・通信教育・学習アプリ・映像教材などを併用」が34.6%でした。依然として、子どもが教室に通って学ぶスタイルが、家庭の学習環境の中心となっています。
一方、28.4%は一つ以上のオンライン形式の塾を利用しており、オンラインで学ぶ家庭も一定数存在しました。オンライン形式のみで学ぶのではなく、通塾とオンラインを組み合わせるなど、子どもや家庭の状況に応じて複数の学習手段を使い分けている家庭も少なくありません。
この結果から、学習系の習い事では、従来の「通塾形式」を基本としながらも、オンラインを含む複数の選択肢を組み合わせることで、家庭ごとに学び方を柔軟に選択する動きが広がっていることがうかがえます。
2."塾は子どもだけでは通えない" 保護者の91.8%が送迎を担う
オンライン形式を利用していない家庭(n=122)では、91.8%で保護者が日常的に送迎を担っています(「毎回」76.2%、「時々」15.6%)。つまり子どもの学習の裏側には、大きな家庭の負担が存在していることになります。
3.送迎の課題1位は「時間がとられる」66.7% 92.8%が何らかの負担を実感
送迎における課題は、「時間がとられる」(66.7%)を筆頭に、「雨の日が大変 」(51.4%)、「熱中症・猛暑が心配」(38.7%)など多岐にわたり、保護者にとって大きな負担となっています。 「特に負担ではない」は7.2%のみ。裏を返せば92.8%が何らかの負担を感じているという結果になりました。
4.約2人に1人がオンライン形式を検討 "特別な選択肢"から"当たり前の選択肢"へ
オンライン形式については、「現在検討している」(10.7%)と「過去に検討した」(38.5%)を合わせると49.2%となり、約2人に1人の保護者がオンライン形式を検討した経験があることが明らかになりました。オンライン形式は決して一部の家庭だけの選択肢ではなく、多くの家庭で比較・検討の対象となっていることがうかがえます。
5.オンライン形式の最大の懸念は「子どもの集中」65.6% 学習面への不安も根強く
オンライン形式を利用していない保護者に対し、オンライン形式への懸念点を尋ねたところ、最も多かった回答は「子どもが集中できないと思う」(65.6%)でした。次いで、「保護者のサポートが必要だと思う」(54.1%)、「対面で教えてほしい」「子どもの理解度がわかりにくいと思う」が続きました。オンライン形式を利用したことのない保護者には、子どもの学習環境や理解度、保護者の負担に対する不安が根強いことがうかがえます。
一方、実際にオンライン形式を利用している保護者では、最も多かった懸念点は「友達との交流がしにくい」(55.9%)でした。これに「子どもの集中力が続かない」(33.9%)、「子どものモチベーションが維持しにくい」(33.9%)が続きました。実際の利用者は、オンライン形式の利便性を評価しつつも、子どもの社会性の育成や学習意欲の維持といった点に課題を感じており、学習効果だけでなく、子どもの成長全体への影響を重視している実態が明らかになりました。
6.オンライン形式を選んだ理由は「送迎不要」だけではない 約4人に3人が学習効果を実感
実際にオンライン形式を選んだ家庭にその理由を尋ねると、1位は「送迎の負担がない」(81.4%)、2位は「通塾時間がかからない分、時間を有効活用できる」(66.1%)、3位は「他の習い事と両立できる」(49.2%)でした。上位3つはいずれも学習内容そのものではなく、「時間を有効に使えること」に関する理由です。
さらに、オンライン形式の利用者からは、「体力的な負担が少ない」(42.4%)、「対面の授業より手厚いと思った」(13.6%)など、時間の節約にとどまらないメリットを実感する声も寄せられました。
オンライン形式の学習効果については、「非常に感じる」が23.7%、「やや感じる」が50.8%となり、約4人に3人(74.5%)の保護者が学習効果を実感していることが明らかになりました。オンライン形式は、利便性だけでなく、教育の質の面でも高い評価を得ていることがうかがえます。
■調査概要
調査実施日:2026年7月28日〜8月4日
調査対象:花まるグループ提供サービスの会員及びフォロワーで年中~小学6年生の子どもを持つ保護者
有効回答数:208名
調査方法:インターネット調査
※本調査は、花まるグループのサービス会員およびSNSフォロワーを対象としたインターネット調査です。回答者には教育への関心が高い層、首都圏在住の層が多く含まれるため、日本の保護者全体を統計的に代表するものではありません。あくまで「学びに関心の高い家庭における実態」としてお読みください。
※設問により回答対象が異なります。各設問の母数(n)はグラフに記載しています。
■関連イベントのご案内
調査で明らかになった、オンライン形式の可能性や課題について、さらに具体的に考える機会として、10月24日(土)に花まる子育てカレッジにて、大塚剛史による講演会「オンライン塾がつくる新しい学びの形 ~画面越しでも子どもは変わる~」を開催します。
オンラインだからこそ実現できる学びとは何か、また、画面越しの学びの中で子どもたちはどのように成長していくのか。オンライン教育の実践を通じて見えてきた、新しい学びの可能性について講演予定です。
【開催概要】
日時:2026年10月24日(土)10:30~12:00
講師:大塚 剛史氏
演題:「オンライン塾がつくる新しい学びの形 ~画面越しでも子どもは変わる~」
詳細・お申し込みはこちら:https://kosodate20261024.peatix.com
■花まる教育研究所について
URL: https://www.hanamarugroup.jp/edu-lab/
花まる教育研究所は、花まるグループが30年以上にわたり培ってきた教育実践の知見をもとに、教育・子育てを取り巻く社会課題を調査・研究し、発信していくことを目的として設立されました。現場の実態に根ざした情報発信を通じて、これからの教育や子育てのヒントを提示していきます。所長には花まる学習会代表の高濱 正伸、研究員には数理思考教育の第一人者であり、栄光学園中学校・高等学校で20年以上にわたり思考力教育を実践してきた井本 陽久氏や、精神科医・医学博士である蟹江 絢子氏らを迎えました。
<所長 高濱 正伸 プロフィール>
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年「花まる学習会」を設立、会員数は23年目で20,000人を超す。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。算数オリンピック作問委員。
武蔵野美術大学客員教授。環太平洋大学(IPU)客員教授。日本棋院顧問。ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー。
◼︎株式会社こうゆう会社概要・ 事業一覧
思考力・非認知能力・感性を育てる『花まる学習会』と、『幸せな受験』『自学ができる子』に育てることを目指す『スクールFC』の運営を中心に、1993 年から 30 年以上に亘り学習塾を展開しております。現在では、首都圏を中心にグループ全体で約 450 教室を展開しており、2024年よりキャス・キャピタル株式会社が株主に参画し、さらなる全国展開を目指し経営の強化を進めています。
◆会社概要
会社名:株式会社こうゆう(花まるグループ)
代表者:高濱 正伸
所在地:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-19-10
設立日:1993年2月2日
事業内容:学習塾「花まる学習会」「スクールFC」の運営等
公式サイト:https://www.hanamarugroup.jp/
◆関連事業
・学習塾「花まる学習会」
「本質を見抜く力」「やり抜く力」「人を惹きつける力」の3つの力を育てることで、将来“メシが食える大人・魅力的な人”に育てることを目的とした学習塾です。幼稚園児・小学生を対象に、毎週の授業と季節ごとの野外体験を通じて、子どもたちの学力と生きる力を伸ばしています。
URL:https://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/
・スクールFC|「幸せな受験」を実現する進学塾
スクールFCは、花まるグループの進学塾として、一都三県で中学受験・高校受験の指導を行っています。受験はゴールではなく、その先の成長につながる大切な通過点。スクールFCでは、「やらされる勉強」ではなく、自ら進んで学ぶ“自学”の力を育てることを大切にしています。夢をかなえるだけでなく、努力する中で得られる自信や、学ぶ楽しさを味わってほしい──それが私たちの考える“幸せな受験”です。子どもたちの可能性を信じ、一人ひとりに寄り添う指導がスクールFCの強みです。
URL:https://www.schoolfc.jp
・スクールFC シグマTECHコース|オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型で、中学受験に対応するコース
夕ご飯をゆっくりおうちで食べる中学受験塾。週2日の通塾と個別指導によって、家庭の時間や子どもの多様な体験を大切にしながら、志望校合格を目指します。「ゆっくり夕ご飯をお家で食べて合格する」という新しい学習スタイルは、受験勉強と豊かな小学生時代を両立させる、花まるグループならではの提案です。
URL:https://sigmatech
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社こうゆう(花まるグループ) 広報
Email:hanamaru@hanamarugroup.jp













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