【導入事例】金沢漆器の老舗・能作に貿易まるなげパッケージ「デジトラッド」を提供
~海外クラファン活用で貿易構築 開始3日で目標金額の400%以上を達成~
デジタル貿易プラットフォームの開発・提供を手がける株式会社STANDAGE(東京都港区、代表取締役社長:足立彰紀、以下スタンデージ)は、2023年4月から株式会社能作(石川県金沢市、代表取締役社:岡 能之、以下能作)に貿易まるまげパッケージサービス「デジトラッド」の提供を開始しています。高単価・高品質の金沢漆器は元よりインバウンド需要が高かったものの、製品の特性上大量生産が難しいこと、海外ビジネスのノウハウがある人材がいないことなどから、自社主体での海外販売は検討に留まっていました。相談を受けたスタンデージは海外の富裕層に向けて作り手の思いやストーリーを届けることができ、受注生産でも海外への販売が可能なクラウドファンディングに着目。開始直後から欧米を中心に注文が入り、わずか3日で目標金額の約407%を達成しました。
今後はクラウドファンディングで獲得した認知と実績を携えての海外の日本産品展示会への出展など、さらなる海外販路の拡大に取り組んでいく予定です。
■需要はあるのに輸出ができない… 「高級工芸品」ならではの壁
金沢漆器は木製品に漆を塗って仕上げる伝統的な技術とその煌びやかな美しさで、国内外から広く高い評価を受けている伝統工芸品です。
安永9年(1780年)に創業し、2030年には250周年を迎える能作は、加賀百万石の地で高い品質とデザイン性を追求し、茶道具や食器、装飾品など幅広い商品を取り扱っています。
金沢という土地柄、能作の漆器は兼ねてより観光に訪れる外国人からの需要が高かったものの、高単価かつ大量生産不可という製品の特徴上、継続的な発注に耐えうるだけの在庫を確保・維持できないことや、貿易実務をこなせるノウハウが社内になかったことなどから、能動的な海外向けの販売は行っていませんでした。
金沢漆器に対する海外からの評価と需要を日頃から感じていたこともあり、2023年4月よりスタンデージの貿易まるなげパッケージ「デジトラッド」との契約を開始。
確かな需要はあるが、事実上受注生産でしか販売ができず、商材として貿易には適さないとされる伝統工芸品の海外販路開拓に挑みました。
■受注生産でも無理なく海外販売が可能 クラウドファンディングとの親和性に着目
通常、貿易では発注からのリードタイムを買い手の要望に合わせる必要があるため、売り手側はそれに耐えうる在庫を安定的に確保できることが前提になります。
伝統工芸品のような高単価かつ大量生産が難しい製品の場合、リードタイムが数か月に及ぶこともあるため、通常の貿易スキームでは採算が合わず、恒常的な海外売上構築には向かないとされています。
そこで、受注生産という体制はそのままに海外へ販売する方法として、スタンデージはクラウドファンディングの活用に着目しました。
ECサイトでの販売とは異なり、クラウドファンディングでの買い手の主な動機は「作り手の思い」「積み上げてきた歴史や実現したい夢」といったストーリーへの共感や応援です。
そのため、商品が手元に届くまでに例え数か月かかっても問題ない、という買い手がほとんどで、受注生産の製品でも無理なく海外への一斉販売を実現することができます。
さらに、貿易および海外マーケティングのプロがしっかりと作り込んだクラウドファンディングのページは、確かな実績が目に見えて分かる有力な海外向けランディングページ(LP)としての機能も果たすことができます。
能作の本格的な海外展開への足がかりとして、まずは認知と実績の獲得が重要と考え、アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて、能作の金沢漆器のプレート「INAZUMA」の販促を行いました。
結果、アメリカやカナダ、イギリス、ベルギー、スイスといった欧米地域を中心に注文が続き、クラウドファンディングの開始からわずか3日間で目標の約407%という金額を達成しました。
海外マーケティングに精通した担当者が能作の歴史や作り手のこだわりといったストーリーを動画や文章でしっかりと作り込んだことや、商材として茶碗や箸ではなく全世界で汎用的に利用できるプレートを選んだことが、成功の主な要因であったと考えられています。
今回のクラウドファンディングによる販促で獲得した認知と実績を携え、今後は海外の日本産品展示会への出展を行い、本物の漆器を実際に見ながら検討してもらうことで、海外向けの販売をさらに拡大していく予定です。
■株式会社能作 代表取締役社長 8代目 岡 能之様のコメント
今回は弊社の得意とする製品ラインナップである、蒔絵の漆器を海外へ発信、認知、販売につなげるため、このシステムを利用しました。
海外への販路拡大を得意とする者が弊社にはおらず、今では海外からのお客様も多く、売り上げの3割を欧米などの外国人が占め、海外の方の興味がある物もだいぶ把握しているのに、こちらからのアタック方法がわからず、悶々としていた中、このシステムを取り入れ実行することにしました。
STANDAGE側が丁寧にまず、金沢の漆器の成り立ち、工程などを文章や使われている場面などの動画を用いるなど、海外の人に説明してまずファンになってもらうところからして頂いたのが良かったと思い、そこから販売につながったと考えております。
今後一度買われた方が、口コミ等で他の人に伝播して、海外にはない漆器の魅力が世界に広がっていく取り組みが出来ればと考えております。
■国内のべ150社が導入する「デジトラッド」
「デジトラッド」はスタンデージが独自に開発した、販路の開拓から交渉・契約、決済、物流や通関に関わる事務手続きまでワンストップで提供する総合貿易パッケージサービスです。
22年下半期の急激な円安や、輸出拡大に向けた国の取り組みにより、日本全体の輸出高は緩やかな右肩上がりで推移する一方、中小企業の輸出高を都市部・地方部別に見ると、その格差はまだまだ大きく広がっています。
「デジトラッド」は、こうした課題を抱える日本の製造業がより自由に、より簡単に海外進出を実現できるよう、販路開拓から契約・交渉、決済、物流まで一気通貫で貿易づくりを代行するパッケージサービスとして誕生しました。
一部業務のシステム化やコンサルティングにとどまるのではなく、貿易におけるすべての流れを「まるなげ」できるサービスです。24年2月時点で、導入企業数はのべ150社に達しました。
◇「デジトラッド」サービス詳細ページはこちら:https://boueki.standage.co.jp/digitrad/
■スタンデージについて
2017年3月設立。「すべての国が、すべてのモノに、平等にアクセスできる世界の実現」をビジョンに掲げ、地域や国に関わらず安心・安全・安価に「商品」と「代金」の同時交換を可能にする、ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易決済システムの開発を行う。主要な市場はアフリカをはじめとする新興国とみて、ナイジェリアをはじめアフリカ4か国に拠点を設置し対アフリカ貿易事業を展開。貿易決済領域にとどまらず、販路開拓や受発注、国際物流といった貿易全体のDXを実現するシステムの開発・提供を行いながら、国内の新規貿易プレイヤーを増やすため、中小企業の輸出支援にも取り組んでいる。
◇「デジトラッド」サービス公式サイト:https://standage.co.jp/digitrad
設立 2017年3月
代表者 代表取締役社長 足立 彰紀
資本金 6億856万8,500円(3億278万250円の資本準備金を含む)
URL https://standage.co.jp/