非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」の愛知県いなかとまち豊田支局がスタート ~2月7日に開局イベント開催へ~
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、愛知県に「いなかとまち豊田支局」が立ち上がることとなりました。つきましては、同局主催で2月7日(水)に開局イベントが行われます。 地域に密着した方々と連携するさかさま不動産支局。宮城県気仙沼、長野県辰野、鹿児島県沖永良部島、山梨、京都府伊根などに次いで、15拠点目の開設となります。
【貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ】
深刻化する空き家問題。総務省によると、2018年の空き家率は過去最高となる13.6%(849万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は41.1%(349万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2) また国土交通省が調査した「利活用に向けた活動状況」によると、将来的にも利用意向はなく「空き家のままにしておく」との回答が約3割。賃貸・売却の意向を持つ所有者は2割超いるものの、そのうちの約4割は「何もしていない」とのデータが出ています。(※3) ※1 総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」 ※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」※3 国交省 「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 空き家対策小委員会 とりまとめ 参考データ集」
【さかさま不動産の狙い】
さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示してマッチングをするサイトです。 従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人や使途は選びたい」「物件情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者や、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致する際などに有効です。 最近では物件所有者から「情報公開はしたくないが良い人がいたら貸したい」「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」などの相談が増えています。 ※HP:https://sakasama-fudosan.com/
【いなかとまち豊田支局がスタート】
豊田市は、車産業を背景に中心市街地が発展する一方、市の7割を森林が占める自然豊かな産業都市。豊田市駅前を中心にハード面の整備が進み、山村部では若者の移住関心が高まっています。子育て関連施設やサービスも向上しつつあり、住宅地としての人気も上昇中。その中で便利な大手チェーンが増加し、市街地・山村部・住宅地それぞれで個性的な事業者や挑戦する若者などプレイヤーが台頭しにくいという声が上がっています。 今回支局を立ち上げるのは、2023年に設立した合同会社なんつな。共同代表の一人・西村新氏は、豊田市駅前の交流広場「とよしば」運営や人気フリーペーパーの発行を手掛けるデザイン会社社長。もう一人の共同代表である鬼木利瑛氏は、地域女性のための創業支援や人材育成を担う会社の代表でもあります。 二人はそれぞれの事業を通じて、「まちはひとがつくる」ことを実感。特にまちを多様にする若者が、主体的に挑戦し続け、失敗を恐れない風土を作るためにも、人と人とのつながりから課題を解決できないかと合同会社を設立。人にフォーカスした関係構築を模索してきました。
【「挑戦したい人」は多い一方「借りられる物件」は少ない実状】
鬼木氏は起業支援を行う中で、事業場所が見つからないケースに多々遭遇。駐車場や更地が増え、まちが無機質になりつつある危機感や、多様なまちになる機会を失うもったいなさを感じていました。 そこで打開策のひとつとして、「人」を通じて空き家問題にアプローチする「さかさま不動産」を活用。これまでも起業支援の中で事業者と大家の交渉に同行してきた鬼木氏は、借主の人柄ややりたいことを丁寧に伝えることで信頼を得られた経験がありました。そこで、借りたい人の情報を可視化することによって、非流通空き家の持ち主に「この人なら貸したい」と思ってもらう流れを創ることとなりました。 チャレンジ精神を持つ人の想いを可視化し、地域との関係構築を丁寧に図ることで、街の発展を加速させることを目指します。
【開局イベントについて】
日時:2024年2月7日(水)|18:30~20:30 場所:ゲストハウスkabo.(愛知県豊田市竹生町2ー4ー22) 内容:①On-Coによるゲストトーク ②支局開局の背景 ③やりたい想いプレゼン ④交流会 対象:まちづくりに関わる人、大家さん、豊田で何か始めたい人、空き家活用希望者 等 ゲスト:株式会社On-Co 水谷岳史・太田憲明・奥田啓太 料金:1000円 |定員:30名|主催:いなかとまち豊田支局|担当:鬼木|連絡先:090-8552-9009 メール:rie-27@nantsuna.com 申込:https://www.toyota-miraijuku.com/events/639
【今後の展開】
持続可能なまちづくりにおいて大切なのは、ただ空き家をうめるのではなく新たな仕事と文化を生む、より良いマッチング。今後も地域を支える方々との連携を図り、物件を探す方法が従来の「家ベースの不動産屋」に加えて、「人ベースのさかさま不動産」が選択肢になる社会を目指します。
【参考】さかさま不動産について
借り手の人物像を開示にすることで、非流通の空き家の発掘や空き家を介した関係構築を目論む実証実験として2020年にスタートしました。 空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、国土交通省「まちづくりアワード2022」にて”潜在する空き家の流通に繋がる画期的な発想”として特別賞を獲得。自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住や空き家活用相談は増えている ②借りられる空き家がない ③空き家課題は深刻 ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。
【いなかとまち豊田支局について】
住所:愛知県豊田市平戸橋町馬場瀬69番地1 電話:090-8552-90093 メール:rie-27@nantsuna.com 担当:鬼木
【合同会社なんつなについて】
共同代表:西村新・鬼木利瑛|設立:2023年4月|拠点:愛知県豊田市平戸橋町馬場瀬69番地1 公式インスタ:https://www.instagram.com/nantsuna/ 「なんかつながって、そだちあい、ともにつくる」をコンセプトに、損得ではなく好奇心のある人と人とのつながりで問題解決を図る。月に一度の「相談所」でつながりを生み出す実験を行う。2024年度から、とよた市民活動センターの施設管理を担う。
【株式会社On-Co】
共同創業:水谷岳史・藤田恭兵|設立:2019年3月|本社:三重県桑名市西別所1375|拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル|HP:https://on-co.jp/| ミッションは「まだない何かに挑む」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。