非流通空き家を借り手の想いで動かす 「さかさま不動産」の京都府伊根支局がスタート ~11月5日に開局イベント開催へ~
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、京都府伊根支局が立ち上がることとなりました。つきましては、11月5日(日)に京都府伊根町にて、開局イベントが行われます。
地域に密着した方々と連携するさかさま不動産支局。宮城県気仙沼、長野県辰野、鹿児島県沖永良部島、山梨などに次いで、11拠点目の開設となります。
■貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ■
深刻化する空き家問題。総務省によると、2018年の空き家率は過去最高となる13.6%(849万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は41.1%(349万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2)
また国土交通省が調査した「利活用に向けた活動状況」によると、将来的にも利用意向はなく「空き家のままにしておく」との回答が約3割。賃貸・売却の意向を持つ所有者は2割超いるものの、そのうちの約4割は「何もしていない」とのデータが出ています。(※3)
※1 総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」 ※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」※3 国交省 「社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 空き家対策小委員会 とりまとめ 参考データ集」
■さかさま不動産の狙い■
さかさま不動産は、家の情報ではなく「借り手」の情報を開示してマッチングをするサイトです。
従来の不動産流通の仕組みを逆にすることで、「貸す人や使途は選びたい」「物件情報を公開せず借り手を探したい」と考える非流通空き家の所有者や、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致する際などに有効です。
最近では物件所有者から「文化的な使い方をしてほしい」「地域が活性化する人に貸したい」などの相談が増えています。※HP:https://sakasama-fudosan.com/
■京都府伊根支局が始動へ■
伊根町の人口は約2千人。65歳以上の高齢化率は45%超で、人口減少と共に空き家課題も深刻化しています。
今回支局を立ち上げるのは、一級建築士 當間 一弘氏。舟屋が並ぶ街並みに惚れこみ、2017年に関東から移住。2019年には夫婦で海辺の古民家を改装したカフェ兼民宿「CAFE&BB guri」、2022年には町内で初めて店舗を置く不動産店「ぐり不動産」を開業させ、地域の伝統文化を守りながら、地域活性をする方法を模索してきました。
■「借りたい人」が増える一方「借りられる空き家」は少ない実状■
當間氏が活動を進める中で直面していたのは、空き家課題に対して、従来の不動産構造では限界があること。そして移住希望者など「空き家活用希望」が多い一方で「借りられる空き家」が少ないという事態でした。
そこで打開策のひとつとして、「人」を通じて空き家問題にアプローチする「さかさま不動産」を活用。借りたい人の情報を可視化し、非流通空き家の持ち主に「この人なら貸したい」と思ってもらう流れを創ることとなりました。
移住希望者の多様な想いと、空き家所有者との関係性を丁寧にフォローすることで、地域の持続可能性とともに、住民の暮らしの質向上を図ります。
■開局イベントについて■
日時:2023年11月5日(日)|【1部】16:00~17:30|【2部】17:30~
場所:【1部】伊根の杜(京都府与謝郡伊根町平田151-2)
【2部】ぐり不動産(京都府与謝郡伊根町字平田149-1)
内容:①町長の挨拶
②On-Coによるゲストトーク
③伊根支局開局の背景
④伊根町で何かを始めたい人のプレゼン ④交流会
対象:まちづくりに関わる人、大家さん、伊根町で何か始めたい人、空き家活用希望の方 等
ゲスト:伊根町長 吉本 秀樹氏・株式会社On-Co 水谷岳史・奥田啓太・太田憲明
料金:無料
定員:20名
主催:京都府伊根支局|担当:當間(とうま)|連絡先:0772-45-1671
申込:https://forms.gle/fwysPG6yb3pxWLY36
■今後の展開■
持続可能なまちづくりにおいて大切なのは、ただ空き家をうめるのではなく新たな仕事と文化を生む、より良いマッチング。11月26日には名古屋市港区、12月8日には静岡県沼津市にてさかさま不動産支局が開局予定です。
今後も地域を支える方々との連携を図り、物件を探す方法が従来の「家ベースの不動産屋」に加えて、「人ベースのさかさま不動産」が選択肢になる社会を目指します。
【参考】さかさま不動産について
借り手の人物像を開示にすることで、非流通の空き家の発掘や空き家を介した関係構築を目論む実証実験として2020年にスタートしました。
空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、国土交通省「まちづくりアワード2022」にて”潜在する空き家の流通に繋がる画期的な発想”として特別賞を獲得。自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住や空き家活用相談は増えている ②借りられる空き家がない ③空き家課題は深刻 ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。
■京都府伊根支局について■
住所:京都府与謝郡伊根町字平田149-1
電話:0772-45-1671
メール:info@guri-llc.com
担当:當間
■當間 一弘について■
1977年埼玉県生まれ。合同会社GURI 代表社員。一級建築士、宅地建物取引士。東京都内を主として飲食店を運営するカフェ・カンパニー株式会社にて、事業企画から空間デザインまで多岐にわたり活躍。2017年9月、同社を退職し、京都府与謝郡伊根町に家族で移住し起業。2019年CAFE& BB guriを開業、2020年 合同会社GURIに法人化、2022年にREAL ESTATE guri(ぐり不動産)を開業し、地域に根ざした事業を展開している。HP:https://guri-llc.com/
■株式会社On-Co■
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵
設立:2019年3月
本社:三重県桑名市西別所1375
拠点:名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル
HP:https://on-co.jp/|
ミッションは「まだない何かに挑む」。強みは社会に必要と感じた概念を具現化させること。さかさま不動産や上回転研究所、丘漁師組合などを展開している。