物件情報を公開することなく借り手を探せる「さかさま不動産」で17軒目の成約 〜元薬剤師による”森のピアノ”への挑戦〜
株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」にて、元薬剤師による自由気ままにピアノが弾ける森への挑戦が、長野県富士見町の土地とマッチングしました。
■2040年には空き家率40%超
少子高齢化や人口減少などにより増え続けている空き家。2040年には空き家率は40%を超えると予測され深刻な社会問題となっています(※1)。国土交通省によると、売却・賃貸等のために情報を広く一般に提供してもよい所有者は15.6%のみ、情報公開はしたくないものの、まちづくりのための利活用であれば検討するという所有者は70%以上というデータが出ています(※2)。
※1 総務省の住宅・土地統計調査 ※2 国交省「空き地等に関する所有者アンケート」
■さかさま不動産の狙い
さかさま不動産は、空き家の情報ではなく「借りたい人」の情報を開示してマッチングをするサイトです。従来の仕組みを逆にすることで、「貸す人は選びたい」「家情報を公開せず借り手を探したい」と思っている潜在的空き家の所有者へのアプローチや、チャレンジ精神を持つ人を地域に誘致することが可能となります。
現在サイト上には「世界最大級ゴングを設置したラボ」や「気軽に演劇が出来る劇場」などの夢や想いが綴られています。
さかさま不動産:https://sakasama-fudosan.com/
■医療現場で感じ、コロナ禍で確信した心をケアする重要性
今回成約したのは、元薬剤師 廣瀬明香さん(34歳・東京都在住)の挑戦。これまで薬剤師として、在留外国人に医療現場における安心を届ける取組みなどを行うと同時に、薬だけでは守り切れないヘルスケアを追及。新人の頃に言われた「お花の水を毎日替えられる程度の心の余白を持ってください」という言葉に立ち戻り、お花やハーブでの空間づくりにも携わってきました。その中で、日常にある豊かな時間や自分のための時間が、心身の健康に繋がることを実感。
コロナ禍で在宅時間が増える中、誰かに影響されがちな情報社会への閉塞感を強く感じ、以前から抱いていた「森の中で他人の目を気にせずピアノが弾きたい!」という欲求が高まりました。そこで1年程前から、自然の中で好きなことに没頭できる空間を探していました。
※廣瀬さんの記事:https://sakasama-fudosan.com/lessee/morinonaka-piano/
■マッチングしたのは山林。二拠点生活へ
マッチングした場所は、長野県富士見町の山林(約4000㎡)。約1年前から移住窓口への相談や移住イベントに参加するなどして、長野県内の物件を探していましたが、中々出会いはなく、最近では栃木県や山梨県に範囲を拡げていたところ、さかさま不動産を通して、本命の長野県の土地所有者から連絡が入り、マッチングに至りました。
廣瀬さんは東京と長野の二拠点生活をしながら、「常に他人の評価の中で生きてしまい感情に蓋をしてしまっている人」や「感受性が強く繊細な人」たちにも開放し、とっておきのおひとりさま時間を過ごせる空間作りを目指し起業予定です。
■想いから始まった所有者とのコミュニケーション
土地所有者は、長野県に複数拠点を持つ電機・精密機器メーカー。社員寮などを見据えて所有していた土地でしたが、コロナ禍などで活用の方向性を検討している中、さかさま不動産に掲載していた廣瀬さんの想いを発見。管轄部署の担当者が連絡をとったところ、音楽好きという共通点から始まり、廣瀬さんの想いに共感が生まれました。
その後、地域に根差した企業として大切にしている「地域との繋がり」の側面から社内の稟議が通り契約へ。担当者は「個人との契約は異例でしたが、土地を提供できたことで、廣瀬さんの夢が叶うのは嬉しい」と話します。
■今後の展開
東京都や愛知県等でもマッチングが進んでいます。また1月28日には栃木県鹿沼市にて、2月8日には沖永良部島にてさかさま不動産支局の開局イベントを開催予定です。今後も地域を支える方々との連携を図り、空き家を介した新たな価値を創造できるよう努めます。
●2/13 さかさま不動産定例会 1部 http://ptix.at/ZqY2LO |2部 http://ptix.at/6F0xfR
●1/28 栃木鹿沼支局開局イベント
●1/30気仙沼支局イベント
●2/8 沖永良部支局開局イベント
■【参考】さかさま不動産について
空き家発生の抑制と活用促進に向け、空き家の所有者と活用希望者を仲介する新たなスキームが求められる中、国土交通省「まちづくりアワード2022」にて”潜在する空き家の流通に繋がる画期的な発想”として特別賞を獲得しました。自治体やまちづくり団体から相談も増えており、①移住希望者や空き家活用の需要はある ②空き家は沢山ある ③借りられる空き家がない ④地域にとって良い移住者を選ぶ必要がある という共通課題が視えてきています。
2022年からはさかさま不動産支局の展開を始め、空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組みを拡げています。
■株式会社On-Coについて
共同創業:水谷岳史/藤田恭兵
創業:2019年3月
所在地:三重県桑名市西別所1375
事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)
HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。
【本件に関するお問い合わせ先】
担当者名:福田
TEL:08059847800
E-Mail:support@on-co.co